青線がNLL、赤の点線が北が主張する境界線=(聯合ニュース)
青線がNLL、赤の点線が北が主張する境界線=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の仁川市が黄海の白○(○=令に羽)島、大青島、小青島周辺の「世界ジオパーク」登録を推進していることに対し北朝鮮が異議申し立てをしたことについて、安全保障上の問題を理由に挙げていることが26日、外交筋の話で分かった。

 仁川市は昨年11月、国連教育科学文化機関(ユネスコ)にこれらの地域を、貴重な地形や地質が残る自然公園「世界ジオパーク」として登録するため国連教育科学文化機関(ユネスコ)に申請した。これに対し、北朝鮮は今月19日に書面で異議を申し立てた。

 韓国政府は北朝鮮が異議を申し立てた理由を確認するためにユネスコ側と接触しているものの、情報開示には北朝鮮側の同意が必要という規定のため理由を正式に確認するまでには多少時間がかかることが予想される。

 北朝鮮が異議を申し立てたのはこれらの地域が黄海上の南北軍事境界線にあたる北方限界線(NLL)に近いことと関連している可能性が高い。

 これらの島は、いずれもNLLの南側にあるものの、北朝鮮はNLLを認めていない。北朝鮮は2007年の第2回南北国防相会談などを機にNLLより南側の「海上警備境線」を海上境界線として主張している。

 北朝鮮は、韓国の申請により同地域が世界ジオパークに認定されれば、国際機関がNLLを境界として認めてしまうと懸念している可能性がある。

 またNLLを無効化し、黄海を紛争水域にしようとする狙いがあるとみられている。

 ユネスコは世界ジオパークの申請と関連し、異議申し立てがあれば評価作業を中断し、当事国が問題を解決するよう促している。

 合意に期限はないものの、北朝鮮が韓国側とのチャンネルを全て遮断しているため、円滑に協議を進めるのは難しいとみられる。


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