国民の力は同党から離党した尹氏の言動は党とは関係ないと距離を置く姿勢を示しているが、6月3日に実施される大統領選に与える悪影響を懸念している。尹氏は大統領だった昨年12月に「非常戒厳」を宣言した理由の一つとして不正選挙疑惑を挙げており、大統領選を控え、非常戒厳に批判的な有権者が離れる可能性を憂慮している。
国民の力の臨時執行部トップである金龍泰(キム・ヨンテ)非常対策委員長は記者団に、「尹前大統領は離党した。わが党とはもう関係ない」として、「尹前大統領は戒厳について反省し、自重すべき時ではないか」と述べた。
国民の力の大統領選候補の金文洙(キム・ムンス)氏は放送記者クラブ主催の討論会で、「有権者の誰かが不正選挙疑惑を提起したなら、選挙管理委員会は解明する努力を続けなければならない」とし、「今後、不正選挙疑惑を完全に払拭できるよう努力する」と述べ、明確な立場は表明しなかった。
国民の力の内部からは尹氏との完全な「絶縁」を求める声が高まっている。尹氏の離党をきっかけに中道層の取り込みに乗り出す方針だったため、尹氏による不正選挙の主張が大統領選の争点になることを警戒している。国民の力の韓東勲(ハン・ドンフン)前代表はフェイスブックに「国民の力は不正選挙の陰謀論者と手を組んではならない」とし、「国民の力が自滅する近道」だと書き込んだ。
国民の力の所属議員が参加するSNSのグループトークには「選挙に否定的な影響を与えそうだ。やめさせるべきだ」「尹前大統領が自重しなければならない」などの投稿があった。金氏陣営の関係者は「尹前大統領がなぜそのような映画を見るのか理解できない」とし、「悪材料だ。(尹氏の)離党でわが党を見直した中道層がどう考えるのか」と述べた。
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