ソウル駅広場で遊説を行う金文洙氏=19日、ソウル(聯合ニュース)
ソウル駅広場で遊説を行う金文洙氏=19日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】6月3日投開票の韓国大統領選で、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権で与党だった保守系政党「国民の力」の金文洙(キム・ムンス)候補は保守系候補一本化の可能性を排除せず、支持率トップを独走する革新系最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)候補に批判的な勢力の結集を模索している。

 国民の力側では保守系野党「改革新党」の李俊錫(イ・ジュンソク)候補との一本化に耳目が集まっている。李俊錫氏は各種の世論調査で5~8%の支持率を維持している。金氏と李俊錫氏の支持率を合わせても李在明氏を超えないが、支持候補を決めていない中道派や無党派層を取り込めると期待している。

 国民の力は李俊錫氏に対し、候補一本化のメッセージを発しながら、水面下でも金氏の側近を中心に李氏側との接触を図っているもようだ。

 李俊錫氏は2021年に36歳の若さで国民の力の代表に就任し、22年大統領選で尹氏の当選に貢献した。だが、尹氏側と対立し、23年に離党した。国民の力の李貞鉉(イ・ジョンヒョン)共同選挙対策委員長はラジオ番組で、李氏について、「党の過ちにより、党から出ることになった」として、「党に戻り、未来を見据えて大きく成長してほしい」と呼びかけた。

 国民の力の関係者は聯合ニュースの取材に対し、「(一本化は)結局、支持率で決まるのではないか」として、「今週がターニングポイント(になると思う)」との認識を示した。

 国民の力は李在明氏を支持しない有権者の結集にも力を入れている。金氏は選挙運動でクリーンなイメージを強調している。両氏とも京畿道知事出身だが、不正疑惑で複数の裁判を抱える李氏との差別化をアピールする狙いだ。テレビ討論会でも李氏に絡む疑惑について追及するとみられる。

 国民の力は保守陣営を超え、李在明氏に対抗する勢力を結集する「ビッグテント」も構想している。国民の力の金龍泰(キム・ヨンテ)非常対策委員長はこの日、野党「新しい未来民主党」の田炳憲(チョン・ビョンホン)代表と会談した。金氏は李在明氏側と対立し、共に民主党を離党した李洛淵(イ・ナギョン)元首相ら同党出身の有力者との会合についても、「いろいろ調整している」と述べた。


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