貿易均衡、非関税障壁などの議題を中心に進められる今回の協議は6月3日の韓国大統領選前に開かれる最後の韓米の対面協議になるものとみられる。両国が目指す7月の一括合意にどのような内容を盛り込むかは次期政権の役割になる見通しだ。
産業通商資源部のチャン・ソンギル通商政策局長を首席代表とする政府代表団が20日に出国し、現地入りした当日に米通商代表部(USTR)側と交渉を始めるという。
両国は2~3日にわたり協議を進める方向で調整しているようだ。
政府代表団には産業通商資源部のほかにも、企画財政部、農林畜産食品部、科学技術情報通信部などの担当者が加わり、計10人程度の規模で構成されたことが分かった。
韓国は先月24日にワシントンで開かれた韓米の財務・通商担当相による「2プラス2」の通商協議に産業通商資源部と企画財政部のほか、外交部、科学技術情報通信部、国土交通部、環境部、農林畜産食品部、保健福祉部を加えた8官庁の関係者計約20人からなる代表団を派遣した。
今月15日には済州島で産業通商資源部の鄭仁教(チョン・インギョ)通商交渉本部長と米通商代表部(USTR)のグリア代表が、16日には産業通商資源部の安徳根(アン・ドクグン)長官とグリア氏が会談し、貿易均衡、非関税措置、経済安保、デジタル貿易、原産地、商業的考慮など6分野の議題を圧縮し、細部について本格的に協議することを確認した。
米国は英国と貿易協定の締結に合意したのに続き、中国とも関税の掛け合いを一時停止することで合意するなど成果を上げており、韓国との交渉も速度を上げ、具体的な「請求書」を提示して圧力を加えてくる可能性もある。
貿易赤字の解消を対外貿易政策の最優先課題とするトランプ政権は、今後韓国にエネルギーなど自国商品の購買拡大を通じた貿易不均衡の是正を具体的に要求するものとみられる。
さらに非関税障壁問題を取り上げ、韓国の譲歩を求める可能性もある。米国はこれまで、貿易障壁報告書などを通じ、月齢30カ月未満の牛肉のみの輸入を認める規制や米グーグルによる精密地図データの国外搬出問題、薬価策定政策、韓国映画の義務上映期間(スクリーンクォータ)など、韓国には自国の商品やサービスの輸出を阻害するさまざまな非関税障壁が存在すると指摘してきた。
韓国政府は、輸入拡大を通じた貿易不均衡の是正に向けた意思や米国側が必要とする造船中心の戦略的な韓米産業協力の重要性を強調し、25%の相互関税と自動車、鉄鋼、半導体などに対する品目別関税の免除または減免を目標に交渉に臨んでいる。
韓米は先月24日の「2プラス2」で米国の相互関税の猶予期間が終わる7月上旬までを交渉期限と定め、包括的合意を目指すことで一致した。
各国との協議を同時に進めている米国側に時間的な余裕がなく、大統領選前の韓国との対面協議は今回が最後になる可能性が高い。そのため、合意のための詳細については大統領選後に発足する次期政権が決定する見通しだ。
政府関係者は「米国が今回の実務協議から特定農産物の(輸入拡大の)ような具体的な要求をしてくる可能性があり、注意している」としながらも「米国が主張する非関税障壁の問題は利害関係が多様で国内でも様々な意見がある敏感な問題という点で米国の要求があればそれをまず確認し、今後国内で多様な議論が行われなければならない」と指摘した。
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