同党の臨時執行部トップの非常対策委員長に就任した金龍泰(キム・ヨンテ)氏が15日、尹氏に離党するよう勧告する考えを表明した一方、同党の大統領選候補である金文洙(キム・ムンス)氏は「尹氏が判断する問題」という従来の立場を崩していない。
金文洙氏側の関係者は16日、聯合ニュースに対し、離党問題は「尹氏に一任する」というのが金氏の確固たる意思だと明らかにした。尹氏が自ら離党しない限り、金氏が尹氏に離党を要求したり、除名したりすることはないとみられる。
尹氏は離党問題について明確な態度を示していない。尹氏は「金文洙氏の意向に従う」との立場とされ、尹氏と金氏側が判断を押し付け合う形となっている。
党内では尹氏の離党問題を巡るあつれきが表面化している。大統領選の保守系候補の一本化を巡り混乱ぶりを露呈した国民の力は尹氏の離党問題で再び党内が揺れ、尹氏による「非常戒厳」宣言に批判的な中道層や保守層の支持を失うとの懸念が広がっている。
尹氏の罷免の是非を判断する弾劾審判で尹氏の弁護人を務めた石東炫(ソク・ドンヒョン)弁護士が国民の力の選挙対策委員会に入り、憲法裁判所が尹氏の罷免を全員一致で決めたことについて金文洙氏が「多様な意見が共存することを示せない憲法裁は極めて危険だ」などと発言したことも論争の的となっている。
金文洙氏の支持率は最大野党「共に民主党」候補の李在明(イ・ジェミョン)氏に大きく引き離されており、保守地盤の南東部の大邱市と慶尚北道でも伸び悩んでいる。韓国ギャラップがこの日発表した大統領選候補の支持率調査によると、李氏が51%となり、金氏の29%を20ポイント以上上回った。大邱市と慶尚北道では李氏が34%、金氏が48%となり、「保守の心臓」と呼ばれる地域でも金氏の支持率は50%を下回った。同氏の秘書室長を務める金在原(キム・ジェウォン)氏はラジオ番組で、「支持者の結束が行われていないため、懸念して見守っている」と警戒を強めた。
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