15日付の業界情報によると、鄭会長は14日(現地時間)、カタールを訪問しているトランプ氏のため同国のタミム首長が主催した晩さん会に出席した。トランプ氏の歴訪日程に招待された韓国人は鄭会長のみ。同行した主要経済人には、テスラのイーロン・マスクCEO、オープンAIのサム・アルトマンCEO、エヌビディアのジェンスン・フアンCEO、アマゾンのアンディ・ジャシーCEOらが名を連ねた。
今回の訪問は、カタールと米国の両国合意に基づき実現した。トランプ・ジュニア氏と特別な親交のある鄭会長が、対米関係において影響力のあるチャネルと判断され、招待に至った模様だ。
鄭会長はカタール訪問後、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイに移動。現地の流通業界関係者らと事業関連の協議を行った後、帰国する見通し。UAEは16日まで4日間にわたるトランプ氏の中東歴訪の最終訪問国でもある。
業界では、鄭会長の中東での成果に注目が集まっている。今回の歴訪期間中には、エヌビディアがサウジアラビア国富ファンドが出資するスタートアップ、ヒューメインに対し、最新AIチップ「Blackwell GB300」を1万8000個超販売する契約を獲得。ボーイングとGEアエロスペースは、カタール航空から960億ドル規模の航空機を受注している。
鄭会長は今回の訪問で、相互間の貿易拡大のメッセージを伝えたとみられる。実際、中東では韓国ドラマやバラエティ、音楽などが人気を博し、K-FoodやK-Beautyへの関心が高まっている。F&B(飲食)やビューティ、ファッション事業を展開する新世界グループにとって、中東は新たな機会となりうる市場だ。韓国関税庁の輸出入貿易統計によると、中東地域への輸出額は2020年の146億ドルから昨年は197億ドルに増加した。
一連の中東訪問を通じて、トランプ・ジュニア氏との友好関係はさらに深まったようだ。鄭会長は昨年12月、トランプ・ジュニア氏の招きで、米フロリダ州パームビーチの複合リゾート施設「マール・ア・ラーゴ」で、当選者だったトランプ氏と面会している。今年1月にはトランプ氏の就任式にも出席し、トランプ・ジュニア氏の仲介で米国の政財界要人と広く交流した。
先月には、トランプ・ジュニア氏の訪韓を実現させた。トランプ次期政権との橋渡し役を求める韓国財界の要請に応じ、「舞台裏の実力者」とされるトランプ・ジュニア氏を招い。ハンファグループのキム・ドングァン(金東官)副会長をはじめ、ロッテ持株のシン・ユヨル副社長、CJグループのイ・ジェヒョン(李在賢)会長、韓進グループのチョ・ウォンテ(趙源泰)会長、LSグループのク・ジャウン(具滋殷)会長、GSエネルギーのホ・ヨンス(許榕秀)社長、ネイバーのイ・ヘジン(李海珍)議長ら各社のトップらが顔を揃え、トランプ・ジュニア氏と会談した。
新世界グループが拡大を進める米国事業への期待も高まっている。傘下のイーマートの米国子会社PKリテール・ホールディングスの2024年第1四半期純売上高は5766億ウォンと、前年同期比で13.5%増加した。イーマートの子会社では、スターバックスコリアを運営するSCKカンパニー(7619億ウォン)に次ぐ規模。営業利益も75億ウォンとなり、前年同期(25億ウォン)の3倍に拡大した。
イーマートは2018年、米国にPKリテール・ホールディングスを設立し、現地のスーパーマーケットチェーン運営会社グッドフード・ホールディングスの株式100%を取得・運営している。イーマートは今年、2~3店舗を新規出店し、事業規模の拡大を目指す戦略。グループ内で財務の専門家として知られるジェイソン・ファン経営戦略室経営総括副社長を、昨年PKリテール・ホールディングスの取締役に加えている。
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