釈迦誕生日の法要に出席した金文洙氏(左)と韓悳洙氏=5日、ソウル(聯合ニュース)
釈迦誕生日の法要に出席した金文洙氏(左)と韓悳洙氏=5日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国大統領選(6月3日投開票)で保守系政党「国民の力」の公認候補に指名された金文洙(キム・ムンス)前雇用労働部長官と、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権で首相を務め、大統領権限代行も務めた韓悳洙(ハン・ドクス)前首相の間で保守系候補の一本化を巡る神経戦が繰り広げられている。

 両氏は5日、韓国最大の仏教宗派「大韓仏教曹渓宗」の総本山、曹渓寺(ソウル市鍾路区)で開かれた釈迦誕生日(旧暦4月8日、今年は5月5日)の法要に出席し、韓氏は「きょう、都合の良い時間にどこかで会いたい」と提案した。金氏は「きょう韓氏と会うのか」と記者団に問われ、「きょうは話を聞いただけ」と説明。金氏陣営の関係者は、「すぐにまた会おうとあいさつしたが、そのほかの発言はなかった」と伝えた。

 韓氏が早急な一本化のための協議を提案した一方で、金氏は確実な返答を避けたと受け止められる。

 「国民の力」が公認候補を指名してから両氏が対面したのは初めて。保守系候補の一本化を巡り、双方の温度差が浮き彫りになった形だ。

 党の予備選を通じて指名された金氏は、自身を中心に一本化に向けた交渉が行われるべきだとの立場だ。またトップダウン型の交渉ではなく、まず実務者レベルでの議論を行うべきと考えている。

 金氏陣営の関係者は、一本化を求める党内の声に不快感を示した。

 金氏陣営の報道官はSNSに「8人の候補から熾烈(しれつ)な党内選挙によって選出されたわが党の最終候補は金文洙だ」とし、「韓氏との一本化の最終期限を11日と勝手に設定して圧力をかける国民の力の議員は、国民と党員が選出した金氏の地位と権限を無視している」と批判した。

 一方、韓氏陣営は一本化に積極的だ。

 韓氏陣営は3日、国民の力に対して一本化の方式や時期などを一任するという意向を伝えた。

 韓氏陣営では、最近の世論調査で韓氏が支持率で金氏をリードしているだけに、交渉が早く行われるほど、自陣営に有利と考えているようだ。

 現時点で無所属の韓氏は組織力や資金面で党のサポートを受けることができず、一本化の議論が長期化すれば、大統領選でも不利になると判断しているとみられる。

 韓氏陣営の関係者は「投票まで1カ月も残っていない状況で余裕を見せる時間はない」とし「考え方が似ている候補たちが1日も早く力を合わせ、選挙に勝つことが何よりも重要だ」と強調した。

 大統領選の候補者登録は11日に締め切られる。候補者の記号は国会に議席を持つ政党の推薦候補者(議席数順)、議席を持っていない政党の推薦候補者、無所属候補者の順で決まるため、国会での議席数が最も多い最大野党「共に民主党」公認候補の李在明(イ・ジェミョン)前代表が記号「1」を使い、国民の力の候補は「2」となる。もし一本化が11日の締め切り後になった場合、国民の力は「2」を使うことができない。

 国民の力の重鎮議員らは「11日までに一本化を行わなければならない」とし、これを過ぎれば、国民に無視される結果を招くだろうと強調した。


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