韓国大統領選　旧与党の公認候補に金文洙氏＝韓前首相との一本化に注目

【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦（ユン・ソクヨル）政権の与党だった保守政党「国民の力」は３日、ソウル郊外の京畿道高陽市で党大会を開き、大統領選（６月３日投開票）の党公認候補に金文洙（キム・ムンス）前雇用労働部長官（７３）を選出した。

　１～２日に党員投票（５０％）と世論調査（５０％）を実施した結果、金氏（５６．５％）が韓東勲（ハン・ドンフン）前代表（４３．５％）を上回った。

　党員投票と世論調査のいずれも金氏が上回った。金氏は党員投票で６１．３％を獲得し、韓氏（３８．８％）を２０ポイント以上上回った。世論調査でも５１．８％を得て、韓氏（４８．２％）を退けた。

　金氏は罷免された尹錫悦前大統領に近い。弾劾・罷免の反対派で、保守系の強硬派から強い支持を受けている。

　韓氏はもともと尹氏の側近とされたが、党代表になってからは距離を置いてきた。尹氏の弾劾訴追案への賛成を呼びかけたことで保守系の強硬派などからは批判された。

　一方、大統領選の各種世論調査では最大野党「共に民主党」の李在明（イ・ジェミョン）前代表がトップを独走している。そのため、国民の力の内部では尹政権で首相を務めた韓悳洙（ハン・ドクス）氏との一本化が不可欠だとする声がある。

　金氏の勝利は国民の力の候補と無所属で出馬する韓前首相との一本化を求める支持層の声が反映された結果と受け止められる。金氏はこれまで韓前首相との一本化に前向きな姿勢を示してきた。また、尹氏の弾劾・罷免に反対してきた党内の国会議員と党員から強い支持を受けたとも分析される。

　金氏は受諾演説で、李在明氏の大統領就任を防ぐためにあらゆる勢力と強く連帯すると明言した。今後、韓前首相との一本化の動きが注目される。