仏像の所有権を主張していた忠清南道瑞山市の浮石寺などによると、5月10日に仏像を送る儀式が行われた後、日本に返還される。
同寺で1月25日から行われている法要には韓国各地から約4万人が訪れ、韓国政府に対し仏像を取り戻すよう求める署名運動には約1万5000人が参加した。
浮石寺側は観世音菩薩坐像の複製品2体を製作。1体は研究用として活用し、もう1体については当初の姿を再現するため3Dスキャンを行えるよう日本側に協力を要請したが、交渉は難航しているという。
浮石寺の住職は「日本側が著作権を盾に難色を示している」とし、「大きな目で見れば世界の文化遺産である仏像の価値が最大限活用されるよう、日本側も協力してほしい」と強調した。
観世音菩薩坐像は韓国人窃盗団が2012年10月、観音寺から盗んで韓国に持ち込んだ。浮石寺は、1330年ごろに瑞州(瑞山の高麗時代の名称)にある寺に奉安するためこの仏像がつくられたと読み取れる史料を基に、仏像は日本の倭寇(わこう)に略奪されたものだとして所有権を主張し、16年に引き渡しを求める訴訟を起こした。
大田地裁は17年1月の一審判決で、倭寇により正常ではない方法で仏像が日本に持ち出されたとして浮石寺の所有権を認めたが、大田高裁は23年2月の控訴審判決で一審判決を取り消して観音寺の所有権を認める判決を言い渡し、大法院が同年10月に上告を棄却したことで原告の敗訴が確定した。
浮石寺側は、仏像が倭寇に略奪された事実と11年にわたる所有権紛争を経て日本に返還されるまでの経緯を記録として残す計画だ。
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