韓国拉致被害者団体のビラ散布　今夜に延期＝地域住民らは反対集会

【坡州聯合ニュース】韓国の拉致被害者家族でつくる「戦後拉北者被害家族連合会」は２３日午前、南北軍事境界線に近い京畿道坡州市の臨津閣で北朝鮮に向けてビラを飛ばす行事を開催したが、風向きの問題でビラ散布は同日午後８時に延期された。

　今回は拉致被害者６人の写真と説明が書かれたビラのほか、北朝鮮の金正恩（キム・ジョンウン）国務委員長（朝鮮労働党総書記）が監獄に入れられた合成写真がヘリウム風船１０個にくくりつけて飛ばされる予定だ。

　現場では、ビラ散布に反対する地域住民や革新系市民団体の集会も開かれた。

　左派少数野党「進歩党」の金在姸（キム・ジェヨン）常任代表は、市民団体「平和危機坡州非常行動」の関係者らと行った記者会見で「ビラ数枚が住民の生命を脅かす現実をこれ以上放置することはできない」とし、「『対北ビラ禁止法』を速やかに成立させてビラ散布行為を完全に阻止する」と述べた。

　坡州市民のキム・ミンヒョクさんは「昨年から北に対する拡声器放送が始まり、地域住民が深刻な騒音により日常生活に大きな不便を感じている」とし、ビラ散布を直ちに中止するよう訴えた。

　行事に先立ち、金成仲（キム・ソンジュン）京畿道行政第１副知事と金京一（キム・ギョンイル）坡州市長は戦後拉北者被害家族連合会の崔成龍（チェ・ソンリョン）代表に会い、ビラ散布の自粛を要請した。

　京畿道特別司法警察の関係者は、行事が終了するまで２４時間体制でビラ散布を阻止すると説明した。