人工知能(AI)の普及により電力需要が急増し、電力網の整備は不可欠となっているが、現実にはこのように10年以上もの建設遅延が繰り返されている。
16日、韓国電力が推進中の主要電力網工事31件の進行状況を集計した結果、新平昌変電所をはじめとする15カ所では、いまだに着工すらされておらず、工事が遅延していることが分かった。2019年の完成を目標としていた「東海岸-首都圏2送電線路」などの事業も、完成時期を2026年に延期したが、住民の反対を懸念した地方自治体の許認可すら得られていない。今年完成を目指していた「シンジャンソン(新長城)・サンサンド(山松島)・シンジョンウプ(新井邑)・シンジャンス(新長水)」などの変電所も、設計段階にとどまっている。
予定されていた変電所の建設が進まず、国家の電力網が危機的状況にあるという声も出ている。十分な数の発電所を建設しても、それを運ぶ電力網が圧倒的に不足しており、AI時代に対応できなくなるのではないかという懸念が背景にある。政府は今年2月、「第11次電力需給基本計画」を通じて、2038年の電力消費量(需要)が現在より約1.5倍増の145.6ギガワット(GW)に達すると予測した。
今年2月には電力網拡充特別法が国会を通過したが、変電所建設の遅延問題を解決できるかどうかは不透明だ。法律により、これまで住民の同意確保や地方自治体の許認可手続きを担ってきた韓国電力に代わり政府が前面に出ることになるが、それによって住民の反発が収まるとは限らないためだ。
専門家たちは、特別法の施行に先立ち、住民への補償拡大やコミュニケーションの強化、許認可規制の緩和など、画期的な支援策を盛り込んだ体系的な施行令および施行規則の整備が必要だと見ている。
ソウル科学技術大学エネルギー政策学科のユ・スンフン教授は「核心は十分な補償だ」とし、「現在は公共企業である韓国電力が規定以上の補償を行うのは難しいが、施行令の制定過程で規制緩和とともに、地域住民に破格の補償を提供できる根拠条項が整備されるべきだ」と述べた。
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