■リュ・ボムヨン中央大学動物資源科学科教授――論文ねつ造は韓国で初めてのケースで衝撃は大きい。科学者は正直でなくてはならないが、結果を出さなければならないとのプレッシャーなどから不正を働く場合がある。
まずはこのことが国益の失墜とは思わない。米国のような場合でもこうしたねつ造事件は起きている。問題はこれをどう処理するかだ。国粋主義に陥り不正をかばうなら韓国の科学界は世界の舞台から淘汰される。黄教授のケースも国際的な事例に照らし合わせて責任を問うべきで、そうすることが潔いことだ。
■金在燮(キム・ジェソプ)韓国科学技術院生命工学部教授――ソウル大の発表はすでに予測されていた結果だ。今回の事件は黄教授個人とチームの過誤であり、韓国の生命科学会全体の問題ではない。国内数万人の生命科学者と生命科学研究者のごく一部の過ちであり、胚性幹細胞は黄教授だけが研究しているものではない。この事件で政府の政策が変わらない限り、韓国の生命科学界に大きな支障はないだろう。今回の事件で国内の研究成果が海外で不信の目で見られるというのも誇張だ。
今回のことは、科学には少しでも虚偽があってはならないという覚せいの契機になり、また韓国みずから、それも大学院生らが明らかにしただけに、肯定的な面もある。マスコミや政府は悪い面だけを強調すべきではない。
■ソ・ファル延世大学医学部教授――黄教授のクローニング実験ノートが不十分なものとの事実を知っていたため、ほとんど事実ではないと思っていたが、こうした結果が出てきた。黄教授はむしろ胚性幹細胞をすりかえられたなどと言っており、人間的な信頼感も消えた。今回の事件でまずクローニング技術そのものがひぼうされることがあってはならない。黄教授以外にも体細胞のクローン技術を使って家畜を作製する研究をする人も多いが、それがすべて使えないものだとは言わないでほしい。
問題は政府の研究費支援が実用化研究に偏っていることだ。生命工学などほとんどの研究費が実用化に集中しており、純粋な基礎研究からスタートすべき研究者は実用化のプレッシャーを受けている。黄教授もそうした面から、胚性幹細胞がすぐに患者の治療に使えるものではないのに実用化されたかのようにしたために起きたもの。今回の事件で科学技術に対する信頼が落ちないかが心配だ。
■ソン・チャンソン建国大学獣医学科教授――とても残念な事件で他の研究者が萎縮しないか心配だ。問題は今回のようなねつ造問題を検証できる人や機関が韓国の科学界にはないことだ。海外の大学に真実性を検証する機関があるように、韓国の大学や学会にも検証する機関を置き、再発を防がなければならない。今回のようなことが再発すれば、科学に対する信頼は失墜し、既存の科学者も被害を受けることになるため、こうしたシステムを作りさらに発展していく契機にしていくべきだ。
■チェ・ジュンホ延世大学医学部教授――論文ねつ造は黄教授本人がすでに認めているので、体細胞のクローンから作製した胚性幹細胞の真偽が重要だが、まだ結果が出ておらず見守りたい。体細胞のクローンから胚性幹細胞ができたのか、単純に体細胞をクローニングし培養したのかはとても重要だ。黄教授について他の機関の人が言及するのは適切ではないが、ソウル大学で相応の措置が取られるものとみて見守りたい。
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