【ソウル26日聯合】MBCの調査報道番組「PD手帳」が4月に放送した米国産牛肉関連プログラムをめぐり「誤訳」議論が持ちあがっているなか、このプログラムの英語資料の翻訳・監修担当者が「今回の議論は翻訳ではなく『制作意図』が強調されて発生したもの」と制作側を批判した。
 「PD手帳」は「米国産牛肉、果たして狂牛病(牛海綿状脳症:BSE)から安全なのか」と題するプログラムで、ある米国人女性が変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)で死亡した可能性が疑われると報じた。しかし米疾病予防管理センター(CDC)などは死因をvCJDでないと結論付けており、農林水産食品部の依頼を受け検察も捜査に乗り出している。

 この翻訳・監修担当者は25日、同番組のウェブサイト上「視聴者意見欄」で翻訳・監修担当であることを明かした上で、へたり牛をBSEと結びつけるなと言ったが、司会側の失言だけでなく話の流れ上でも双方が結び付けられた点、女性の死因が確実でないことを十分に強調しなかった点など、プログラム内容に問題を提起した。その上で、この2つの問題は翻訳問題ではなく制作意図・編集の「性向」または「目的」が強調されて発生したものだと指摘した。監修の際には何度も「へたり牛を強調しすぎる」「プログラムタイトルに『狂牛病』の言葉が含まれ『へたり牛=狂牛病』との認識を与えうる」などと何度も話をしたと明かしている。

 また、「制作陣は自身の意図・編集目的が狂牛病のリスクを強調するためだったことを潔く認めねばならないにもかかわらず、『翻訳にさらに気を配る』との姿勢を示している」と不満をみせた。

 一方、「PD手帳」は24日夜の放送で「誤訳議論」と関連し、「翻訳について、一語一語きちんと翻訳しなかったり意訳して誤訳の余地を残し、完ぺきに制作できず歪曲(わいきょく)・誇張議論を招いたことについては遺憾に思っている」との立場を報じた。

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