――韓日の共通課題である北朝鮮核問題を解決するため、韓日関係をどのように構築していくのか。また、北朝鮮拉致問題についてどのような関係を築いていくのか。
福田首相「北朝鮮核問題は韓日、さらには国際的な重要課題だ。地域の平和と安定のためには北朝鮮の非核化が不可欠だ。今日の会談で李大統領から『非核・開放・3000』政策の説明を聞いた。この政策は、過去の拉致問題、核問題、ミサイル問題など諸懸案を解決して国交を正常化できるというわれわれの政策と同様の考え方といえる。心から支持する。韓日首脳間でこれまでより緊密な協力が可能だと考える。北朝鮮が非核化を推進することは、北朝鮮自らにとっても非常に重要な問題だ。韓日の協力、さらには米国と協力し、北朝鮮に働きかけなければならない。
拉致問題は人道的、人権の問題で、両国にとって重要な問題だ。今会談で李大統領から、拉致問題にできるだけ協力するとの言葉があった。今後、韓日が協力を進めていくものと信じる」
――李大統領は就任後、過去にとらわれて未来に進む道を止めることはできないとしたが、独島問題や過去史問題が持ち上がる場合、未来志向的な韓日関係が実効性を得ることはできるか。
李大統領「その質問がなければ良いと思っていたが出た。わたしはこのように考える。韓日関係は、遠い過去の歴史をわれわれが常に記憶するしかない。しかし、過去にとらわれ未来へ進むのに支障があってはならない。歴史認識に対する問題は、日本がその問題に対し行うべきことで、われわれが未来へ進む上で制約を受けてはならず、日本も十分にその点を理解するものとみている。もちろん、政治家は時に気まずい発言をする。しかし、政治家が発言することをいちいち敏感に対応する必要はない。どの国でも政治家は個人の意見を示すことができる。
21世紀の未来に向け、韓日がともに進むことが両国の繁栄、北東アジアの繁栄にも役立ち、北東アジアの平和を維持するにも両国の協力が非常に重要だ。未来に対する価値を認識し一緒に進むため、過去が繰り返されるようなことに戻ることはなく、今後進んでいけると考える」
――李大統領が日本の天皇と会うこと、韓日自由貿易協定(FTA)交渉が中断されたことに対し、韓国で反対論や慎重論があるという。これをどのように乗り越えるのか。
李大統領「天皇に対する韓国招待の問題は、午後に(天皇を)訪問することになっており、訪問を前に事前に話すことはそぐわない。原論的な問題に対し、日本の天皇が特に韓国を訪問できない理由はないと申し上げる。
両国ではFTA問題はもちろん、さまざまな議論になるような素地がある。われわれはどの国であれFTA問題を協議する場合、両国の理解が相反する問題は調整し、両国でWin-Win(となる方向で)協議し、最終合意にいたることになっている。率直に言って、韓国と日本の関係において経済問題をみると、部分的に格差が大きいことは事実だ。こうした格差をそのままにして(FTAを)すれば、さらに格差が広がることもあるという韓国側の懸念もある。(これは)事実で、わたしも同じ考えだ。FTA問題を交渉前に、企業間の問題、脆弱(ぜいじゃく)な部分においての相互協力が前提になり、双方がWin-Winに、助けになる方向に進めていかなければならないと考えるため、この問題は実務的に話しても良いと思う」
――対北朝鮮問題と関連し、両首脳は非核化に向け力を合わせると言った。これは、拉致問題の先決なくして北朝鮮との関係に改善はないという日本の従来の姿勢が変化したものとみることができるのか。また、部品・素材産業の技術移転問題に関し、現在、韓日の貿易不均衡が深刻だ。日本が技術移転を先延ばしにしているとして韓国の不満が大きい。これについての日本の立場は。
福田首相「北朝鮮問題は地域平和と安定をどのように確保するかという問題だ。地域平和と安定のためには6カ国協議の共同声明にあるが、朝鮮半島の非核化のみならず、日朝関係、米朝関係の正常化を包括的に含んでいる。わが国はミサイルや拉致問題を包括的に解決するということであり、解決してから北朝鮮と国交正常化をする計画を持っている。李明博大統領も話したが、今後、拉致問題を含む非核化が進展するよう、日米と緊密に協力しながら北朝鮮に働きかけを行っていく考えだ。
経済関連では、韓国側が日本に相当大きな関心を持っていることを理解している。韓日経済連携協定(EPA)、FTAの交渉再開に関し努力することで合意した。戦略的にこうした問題に対し取り組んでいこうというものだ。EPA、FTAの進展を通じ、韓日間の経済的な問題というのは解消されていくのではないかと期待している」
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