高裁は「国際慣習法上、被告である日本政府に韓国裁判所の裁判権を認定することが妥当だ」と述べた上で、慰安婦を集める過程で被告の違法行為が認められることから適切な慰謝料を支払う必要があるとの判断を示した。
被害者について「最低限の自由すら抑圧され、日本の軍人との性行為を強要された結果、無数の傷害を負わされたり妊娠・死亡の危険まで甘んじたりするしかなく、終戦後も正常な範囲の社会生活に適応できないという損害を被った」と言及した。被告の行為は韓国の民法上の違法行為に当たるとし、各被害者への慰謝料は原告が求める2億ウォンを上回るとみるのが妥当だと述べた。
この日、車いすに乗って出廷した李容洙さんは判決を聞いて法廷を出てくると、両腕を上げて万歳を叫びながら涙を流した。「ありがとう」と何度も繰り返し、「天にいらっしゃるハルモニ(おばあさん、慰安婦被害者)たちにも私から感謝を伝えたい」と語った。
李さんや被害者遺族らは2016年12月、日本政府に対し1人当たり2億ウォンの賠償を求める訴訟を起こした。21年4月にソウル中央地裁は日本の主権免除を認め、原告の訴えを却下した。
この年、同地裁は同種の訴訟に異なる判断を示していた。別の慰安婦被害者ら12人が起こした賠償請求訴訟で21年1月、「日本の違法な行為に国家免除(主権免除)を適用できない」として日本政府に1人当たり1億ウォンの賠償を命じた。日本政府はこうした訴訟に対応しないとの原則を崩さず控訴もしなかったため、判決は確定した。
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