尹大統領(左)は今年4月、釜山視察のため来韓したBIE関係者を青瓦台に招き、夕食会を開いた(大統領室提供)=(聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
尹大統領(左)は今年4月、釜山視察のため来韓したBIE関係者を青瓦台に招き、夕食会を開いた(大統領室提供)=(聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
【ソウル聯合ニュース】2030年国際博覧会(万博)の開催地決定まで残すところ1カ月に迫り、南東部・釜山への誘致を目指す韓国は1票でも多く支持票を集めるため追い込みをかけている。政府は尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が大統領選で公約に掲げた万博の釜山誘致を国政課題と定め、昨年5月の政権発足直後から誘致に総力を挙げている。尹大統領や韓悳洙(ハン・ドクス)首相、閣僚だけでなく、政界、財界、民間も一体となって誘致を後押ししてきた。

 30年万博の開催地は、フランス・パリで11月28日に開かれる博覧会国際事務局(BIE)総会で加盟国の投票により決定する。釜山のほかサウジアラビア・リヤド、イタリア・ローマが立候補している。

 「韓国第1号の営業社員」を自任する尹大統領はこの1年余り、首脳外交の場で万博誘致に力を尽くしてきた。就任直後の昨年5月16日、首席秘書官会議で「釜山万博は韓国の経済全体が飛躍する大きな契機になる」と強調し、2週間後には釜山で誘致戦略会議を開いた。大統領室にはこれを担当する未来戦略企画官室を置き、関連内容の報告を随時受けた。

 首脳会談では欠かさず釜山誘致への支持を訴えた。開催地は約180の加盟国の無記名投票により決定するため、各国の首脳ひとりひとりを説得し、支持を引き出す戦略を取った。

 今年6月にパリで開かれたBIE総会には自ら駆け付け、万博誘致に向けたプレゼンテーションに臨んだ。尹大統領は韓国の最後のプレゼンテーターとして登壇し、「釜山万博は人類が直面した複合危機に対応するソリューションプラットフォームになる。釜山は準備ができている」とアピールした。万博誘致に向け韓国政府や釜山市が現地で開いた公式レセプションでも、各加盟国の代表団と面会して釜山が最適な開催地であることを訴えた。

 9月に国連総会のため米ニューヨークを訪れた際にも、5日間で41カ国の首脳と個別に会談し、万博誘致へ支持を最大限引き出そうと尽力した。2カ所の会談会場を設け、30分単位で個別会談をこなすハードスケジュールだった。

 万博誘致に情熱を傾けたのは韓悳洙首相も同じだった。中南米や欧州の加盟国へ足を運び、各国の首脳級に釜山支持を訴えた。今月9日にパリで開催された万博の釜山誘致に向けたシンポジウムに出席したのに続き、29日からは3泊7日の日程でアフリカと欧州の5カ国を回る強行軍で誘致へラストスパートをかける。

 政府によると、9月末の時点で政府と企業の関係者が万博誘致のため移動した距離はそれぞれ850万キロ、790万キロで、合わせると地球409周分に相当する。尹大統領が面会した人数は91カ国・地域の455人、韓首相も92カ国・地域の153人に達する。

 サムスン電子やSKをはじめとする企業13社も世界各国で1700人と会い、釜山支持を求めた。誘致委員会の共同委員長を務める大韓商工会議所の崔泰源(チェ・テウォン)会頭(SKグループ会長)は足首のけがを押して6月のBIE総会に出席し、松葉づえ姿で気概をみせた。


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