米国でイテウォン(梨泰院)での雑踏事故を取り扱ったドキュメンタリー映画「クラッシュ(Crush)」が公開された。しかし、韓国では正式な配給契約を結んでおらず、韓国国内では観られない状況だ。

オンライン動画サービスのパラマウントプラスは17日、2部作ドキュメンタリー作品「クラッシュ」を公開した。「クラッシュ」は2017年にラスベガスで起きた銃乱射事件を取り扱ったドキュメンタリー映画「11分」を演出したジェフ・ジンバリスト監督が指揮を取り、米CBSの関連会社であるシー・イット・ナウ・スタジオが製作した。

映画「クラッシュ」は2022年10月29日に梨泰院のある通りで159人が圧死した雑踏事故を取り扱った作品だ。大勢の若者たちがハロウィンを楽しむために梨泰院に集まり、史上最悪の人命事故につながった惨状を生々しく描いたと評価されている。ドキュメンタリーには、事故当時現場にいた生存者の電話の音声や防犯カメラの映像など合計1500時間分の映像がまとめられている。作品には事故現場である救助隊員が「あきらめる人はあきらめて助けられる人を生かさなければならない」という叫びも含まれている。

ジェフ・ジンバリスト監督は英ガーディアン紙とのインタビューで「大規模な群衆をコントロールしてきた経験の多い韓国で、2014年のセウォル号事故と2022年の梨泰院雑踏事故はなぜ例外だったのかを検証する必要がある」と語り、「この2つの悲劇は参加者と犠牲者の大多数が若い世代だったという共通点がある」と話した。

しかし、映画「クラッシュ」は韓国での事故を取り上げた作品であるにもかかわらず、韓国国内では観る方法がない。製作会社が配給契約をパラマウントプラス米国とのみ結んでいるためだ。韓国国内ではティービングがパラマウント作品の一部を配信しているが、映画「クラッシュ」は放映する予定がない。

ある業界関係者は「韓国国内で放映される海外作品は各作品ごとに配給契約を結ぶことになっている。通常、前年度に翌年放映する作品を契約するため、すぐに観ることは難しいだろう」と語り、「製作会社が国内の配給会社と契約を結ばなければ韓国で観ることはできない」と説明している。
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