式典で演説する尹大統領(大統領室通信写真記者団)=15日、ソウル(聯合ニュース)
式典で演説する尹大統領(大統領室通信写真記者団)=15日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は15日、就任後2回目となる光復節(日本による植民地支配からの解放記念日)の式典での演説で、韓米日の安全保障協力の必要性を強調することに焦点を合わせた。

 韓米日首脳会談を3日後に控え、3カ国協力の重要性を改めて内外に発信した形だ。

 18日(現地時間)に米ワシントン郊外の大統領山荘キャンプデービッドで開かれる韓米日首脳会談については、「朝鮮半島とインド太平洋地域の平和と繁栄に寄与する3カ国協力の新たな里程標になるだろう」と述べた。

 尹大統領は北朝鮮の核とミサイルの脅威に対応するため、韓米日安保協力の重要性が日増しに高まっているとし、特に3カ国間での緊密な偵察兵器協力と北朝鮮の核・ミサイル情報の即時共有が必要だと指摘した。

 核・ミサイル情報の即時共有は今回の首脳会議の議題になるとみられている。

 3カ国首脳は昨年11月にカンボジア・プノンペンで北朝鮮のミサイル警戒情報を即時共有することで合意。そのためのシステムが稼働すれば、それぞれが探知した情報が共有され、即時対応が可能になる見通しだ。

 尹大統領はまた、朝鮮戦争の国連軍が休戦後、日本に後方司令部を置き、日本が在日米軍の7か所の基地を国連軍に提供している点に触れ、これらが「北の南侵(韓国侵攻)の最大の抑止要因になっている」と強調したが、これも韓日の安保協力を念頭においた発言とみられる。

 尹大統領は演説で日本について「われわれと普遍的価値を共有し、共同の利益を追求するパートナーだ」と規定した。

 韓日関係改善を模索していた昨年の光復節の演説では、日本を「力を合わせて進まなければならない隣国」と紹介した。

 韓国の独立運動記念日「三・一節」に行われた今年3月1日の演説では、関係改善への努力の成果が出始めていたことが反映され、日本を「普遍的な価値を共有し、安保や経済、そしてグローバルアジェンダで協力するパートナーに変わった」と説明した。

 一方、今回の演説では慰安婦問題など歴史に関連した具体的な言及がなかった。

 尹大統領は「韓国の安保はインド太平洋地域の安保、大西洋と欧州の安保、世界の安保と同じ線上にある」とし、北大西洋条約機構(NATO)との協力強化の重要性を指摘した。

 またロシアに侵攻されているウクライナを支援する背景について、「究極的には韓国の自由、平和、繁栄のため」と説明した。

 大統領室の関係者は聯合ニュースの取材に対し、「今回の光復節の演説は歴史と結びついた視野の狭い韓日関係ではなく、独立運動という大きな枠組みでとらえようとした」と説明した。

 昨年の光復節の演説で発表された北朝鮮非核化ロードマップ「大胆な構想」については、今回新たな内容が盛り込まれることはなく、揺るぎなく稼働させる意思を示す程度にとどめられた。


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