トラビス・キング2等兵=(聯合ニュースTV)
トラビス・キング2等兵=(聯合ニュースTV)
【ソウル聯合ニュース】在韓米軍の兵士、トラビス・キング2等兵(23)が18日に南北軍事境界線上にある板門店の共同警備区域(JSA)から無断で北朝鮮側に渡ってから24日で1週間になった。JSAを管轄する国連軍司令部がキング氏の身柄を巡り、北朝鮮側と協議を開始したと発表したものの、安否については明らかにされなかった。 米AP通信などによると、国連軍司令部のハリソン副司令官は24日、朝鮮戦争の休戦協定締結から今月27日で70年を迎えるのを前に海外メディアを対象とした記者会見を開き、休戦協定下で作られたシステムを通じてキング氏に関する対話を北朝鮮側と開始したと明らかにした。 国連軍司令部と北朝鮮軍は、業務開始時と業務終了時の1日2回、直通電話が正常に作動しているか確認するための応答を行っているとされ、交渉はこの電話を通じて行われているとみられる。 ハリソン氏は「われわれが最優先に考慮するのはキング2等兵の安全」としながらも、安否については説明しなかった。 国連軍司令部と北朝鮮軍が直通電話を使ってどのような対話を交わしたのかについては公開されなかったものの、国連軍司令部がキング氏の安否を案じていることから、北朝鮮側が同氏に関して最小限の情報さえ伝えていない可能性が高いとみられる。 国連軍司令部は、まずキング氏の健康状態や所在など具体的な情報の把握に努めることが予想される。 身柄解放を巡る対話も行われている可能性があるが、ハリソン氏は「交渉は非常にセンシティブだ」とし、情報公開について慎重な立場を示した。 一方、北朝鮮側は今回の事件に関して一切報じていない。談話や声明も出さずに沈黙を守っている。予想外の突発的な事件であったことから、どのような対応を取るか検討している可能性もある。 韓米当局は、キング氏が北朝鮮側に渡った後に逮捕され、車両に乗せられている姿を監視カメラで確認したという。 キング氏は平壌に移送され、北朝鮮に入った経緯などを調査されている可能性がある。 政府消息筋は「キング2等兵が車両に乗る姿までは確認したが、その後の移送経路は分からない」とし、「平壌に移送され調査を受けているものと推定される」と述べた。
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