韓国の無所属議員、巨額の暗号資産保有疑惑で「除名」勧告を受ける(画像提供:wowkorea)
韓国の無所属議員、巨額の暗号資産保有疑惑で「除名」勧告を受ける(画像提供:wowkorea)
韓国の国会倫理審査諮問委員会(諮問委)は20日、90億ウォン(約9億8000万円)に相当するとされる巨額の暗号資産(仮想通貨)を保有したとして物議を醸し、野党「共に民主党」を脱党した無所属のキム・ナムグク(金南局)議員に対して、最高懲戒レベルの「議員職除名」を勧告した。

 諮問委はこの日午後、国会で第7回会議を開いてこの問題を討議し、会議後にユ・ジェプン委員長が記者団に懲戒の内容を説明した。

 ユ氏は「両党(国民の力・共に民主党)は、金議員が国会法上で品位維持義務違反や私益追求禁止に触れていなかったか(審査してほしいと)要求した。諮問委は長時間にわたり議論し、最終的に除名を勧告することで意見が一致した」と述べた。

「除名決定の最も大きな背景は何か」という質問に対しては、「取引内容など、さまざまなことを考慮した。暗号資産に関連して適切な釈明がなされず、全体的にも誠実な釈明ではなかった」と指摘した。

 説明によると、金議員は4回にわたり諮問委に関連資料を提出したが、取引額や回数、現金化規模については公開できないと拒否したという。ユ氏は「取引内容などは公職者倫理法上、本人の同意が必要で公開できない」と説明した。

 また、ユ氏は諮問委として強制調査権がなく、本人の釈明を聞いたり、明らかになっている内容を確認したりすることしかできないことを指摘した。今後は倫理特別委員会で事前に調査を行い、その資料を諮問委に提供する必要があると述べ、現行制度に問題があるとの認識を示した。

 先立って倫理特別委員会は5月30日に全体会議を開き、金議員の懲戒案を諮問委に提出した。諮問委は金議員から受け取った暗号資産の取引資料などを基に、国会法違反や職権乱用の是非について審査した。

 諮問委は、国会議員の資格と懲戒審査を担当する倫理特別委員会の諮問機構で、法学専門大学院教授や弁護士など専門家8人から構成されている。諮問委が懲戒意見を出せば、特別委員会は懲戒案を懲戒審査の小委員会に付して審議した後、全体会議で懲戒のレベルを最終決定することになる。

 最終的な懲戒案は本会議での採決を経て確定し、議決定足数は在籍議員の3分の2以上必要だ。国会議員に対する懲戒には、「公開会議での警告」「公開会議での謝罪」「30日以内の出席停止」「除名」の4つのレベルがある。
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