ケイ海明・駐韓中国大使=(聯合ニュース)
ケイ海明・駐韓中国大使=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国大統領室の高官は12日の会見で、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の外交政策を批判するような発言をしたケイ海明・駐韓中国大使に対し、「懸け橋の役割が適切でなければ、本国と駐在国の国家的利益を損ないかねない」と批判した。 大統領室が特定国の大使を批判するのは異例。現状況を厳重に受け止めているようだ。 同高官は「大使は本国と駐在国をつなぐ懸け橋の役割を果たす職」として、「外交部が私たちの立場を十分に伝えたほか、在中韓国大使館も立場を表明しており、大統領室が特別に追加表明する立場はない」と説明した。ただ外交関係に関するウィーン条約に触れ、条約には「接受国の国内問題に介入しない義務を有する」とした内容も含まれていると指摘し、ケイ氏が同条約に事実上違反したとの認識を示した。 ケイ氏は8日、韓国最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表と面会した席で、「一部では米国の勝ち、中国の負けに賭けている」として、「誤った判断であり、後で必ず後悔する」と述べるなど、尹政権の「米国重視」の外交政策を批判するような発言をした。 同発言に韓国与党「国民の力」は強く反発している。同党の金起炫(キム・ギヒョン)代表は12日の最高委員会議で、「一介の大使が駐在国に報復するということで、無礼極まりない」と非難。申源湜(シン・ウォンシク)国会議員は自身のフェイスブックで、「政府はケイ氏を『ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)』指定という断固とした措置を積極的に検討すべきだ」と主張した。 韓悳洙(ハン・ドクス)首相は国会の対政府質疑で、国民の力の金碩基(キム・ソッキ)議員がケイ氏を追放するよう求めたのに対し、「中国大使の行動は極めて不適切だったと考える」と答弁した。 一方、ケイ氏夫妻が5月、韓国企業の提供を受け、東部・鬱陵島の高級リゾートに無料で宿泊したとの疑惑が外交消息筋から提起された。同リゾートの宿泊費は1泊1000万ウォン(約110万円)に達するとされる。 また、ケイ氏は昨年12月、駐光州中国総領事に対し、自国の新型コロナウイルス政策に問題が多いとして、習近平国家主席の政策に批判的な発言をしたとの疑惑も浮上した。 聯合ニュースは在韓中国大使館に事実関係などの確認を求めたが、返答は得られなかった。
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