緊急記者会見を開いた太永浩氏=3日、ソウル(聯合ニュース)
緊急記者会見を開いた太永浩氏=3日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の元駐英公使で韓国与党「国民の力」の最高委員を務める太永浩(テ・ヨンホ)国会議員が相次ぐ疑惑で四面楚歌(そか)に陥っている。党内では太氏への不満と批判の声が高まり、最高委員の辞任など政治的な責任を取るよう求める意見が強まっている。これを受けて太氏は3日、緊急記者会見を開き、一連の疑惑を「悪意的報道」「偽ニュース」として全面的に否定した。 太氏は2020年の総選挙で国会議員に初当選。今年3月の党大会で最高委員に選出された。 同氏を巡っては、昨年の統一地方選に絡み自身の選挙区(ソウル江南甲)の市議と区議から政治後援金を受け取り、議員本人だけでなく家族や知人の名義で後援金が送られたとの報道が出ている。後援金提供は地方選前後に行われ、後援金を送った議員たちがいずれも太氏の選挙区で当選したことから、後援の見返りとして党公認を受けたとの疑惑が浮上している。 太氏は大統領室の李珍福(イ・ジンボク)政務首席秘書官が来年の総選挙での公認候補選びをちらつかせ、韓日関係を擁護する発言をするよう要請したと補佐官らに話す音声記録の存在が報道されたばかり。音声記録の事実関係については太氏と李氏のいずれも否定している。太氏は李氏との面会の内容が誇張されたと主張している。だが、太氏は李氏との面会後、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の安全保障・外交政策を擁護する発言を相次いでしており、太氏がうそをついているとの見方が出ている。 国民の力の金起炫(キム・ギヒョン)代表は党倫理委員会に対し、太氏を巡る疑惑について懲戒手続きが進められている他の件と併合して審査を行うよう要請した。今回の問題が党全体の道徳性に致命的な影響をもたらしかねないと判断し、いち早く収拾に乗り出したものと分析される。 党の幹部は「太氏のうそで党の負担が大きくなった。看過できない」と指摘。ただ、後援金問題については「監査する事案ではないとみられる」と述べた。 この日の会見で、太氏は音声記録と後援金を送った人物の名簿を流出させた人物に対して法的対応を取ると示唆し、党内の一部で取りざたされている「政治的責任論」についても一蹴した。 太氏は会見で「今後、私を政界から追い出そうとする陰湿な政治攻勢や裏工作、偽ニュースはさらに多く出てくるだろう」としながら「絶対に屈服しない。叩けば叩くほど強くなる、鋼鉄のような政治家になりたい」と述べた。 
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