留学生や旅行客、天安在住者など16人の参加者はこの日、午前10時ごろ白石文化大学に到着した。調理実習室で行われた韓国料理専攻生とのキムチ・参鶏湯(サムゲタン)作りでは、各テーブルに日本語学部の学生が付き参加者らを手伝った。日本語学部の金賢廷(キム・ヒョンジョン)教授は、最近は明確なビジョンを持って日本語を学ぶ学生も多く、大学が実施する日本企業でのインターンシップの希望者も年々増えていると説明、それだけに同プログラムは学生らにも非常に良い経験になっていると話した。
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昼食の後は独立記念館に移動し、事前に準備したという資料を手にした日本語学部・観光学部の学生とともに館内を回った。協力団の宋基新(ソン・ギシン)団長は、日本植民地時代の歴史を赤裸々に伝える独立記念館を一緒に観覧することにやや心配もあったが、参加者らは真剣に見学していたようだと印象を語った。折しも先日、李明博(イ・ミョンバク)次期大統領が韓日関係について、「成熟した韓日関係を築くため、日本に謝罪や反省という言葉を使いたくない」と発言し注目を集めている。宋団長は、自分も参加者に反省などを求める気持ちはなく、ありのままを見てほしいとし、日本人が過去の歴史を知る契機になればと期待を示した。
一方、日本語学部生の中には、「日本人を案内することに対するわだかまりはない」と話す人も多かったが、「案内には気を使った」という学生もいた。同学部2年生のチャン・スジョンさんは、「考え方が違うから言葉を慎重に選びながら説明した。写真などの展示に気分が悪くならないかも心配だった」と参加者を気遣うようすを見せながらも、こうした場は互いを理解し、韓日関係を近づけるための良いチャンスになるだろうと話した。一行は続けて、天安で生まれた独立運動家、柳寛順(ユン・グァンスン)の記念館を訪れた。同館は、柳寛順の出生から3・1独立運動への参加、西大門刑務所で死亡するまでを展示物や映像で紹介している。
旅行中にプログラムに参加したという古賀ももさんは、日本で報じられていないことを知る良い機会になったと満足そうな表情を見せ、「一緒に回った韓国人の学生からは過去の歴史に対するこだわりも感じられなかった。これが平和ということなのかも」とコメントした。このほか、個人旅行ではなかなか足を運べない場所に行けて有意義だった、歴史の流れがよく分かったという声も聞かれた。
白石文化大学は今後、毎月1回ずつこうしたプログラムを実施するなど文化観光事業を本格化していく。地元の祭りなどと連携し訪問先を多様化するほか、日本人だけでなく中国人、海外からの結婚移住者を対象にしたツアーも実施する予定だ。
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