地方から人口の減少が始まる韓国…ソウル首都圏はやや緩慢(画像提供:wowkorea)
地方から人口の減少が始まる韓国…ソウル首都圏はやや緩慢(画像提供:wowkorea)
人口の減少が心配される韓国だが、それでも首都圏では減少の速度が緩慢であることが分かった。就職や教育などを理由に、首都圏に集まる若者が依然として多いものとみられる。

 その反面、地方では人口が急速に減少し、残った人口も70~80代の老年層が多い。働き口が多いといわれる地方の大都市や工業都市でも急激に減っている。

 3日、韓国の統計庁によると、昨年末時点で韓国の人口は5144万人だった。1992年よりは約694万人増加しているが、2019年の5185万人を頂点に3年間で約41万人が減少し減少の速度が速かった。2020年には5183万人で前年より2万人、2021年には5164万人で2020年より19万人減少している。

 人口が減少する推移は首都圏と首都圏外では状況が違った。ソウルとインチョン(仁川)、キョンギド(京畿道)を含む首都圏の人口は2020年に2604万人まで増え、2021年と昨年は2年連続で減少している。2年間で減少した首都圏の人口は約5万1000人だ。

 地域間の人口移動だけを見れば、首都圏への偏り現象が見える。昨年、京畿道に転入した人口は165万人で、160万人の転出人口より約5万人多かった。仁川も転入が40万人、転出が37万人で約3万人増えている。ソウルを含め、首都圏全体では人口の流入で増加した規模が昨年だけで約4万人に達した。

 いっぽう、地方の減少傾向は著しい。首都圏外の人口は2016年の2611万人を頂点に、2017年から減少傾向に転じた。首都圏より5年も早く減少が始まっている。この7年間、首都圏外で減った人口は65万人を超え、打撃が大きかった。

 行政安全省が2021年国家均衡発展特別法により指定した89か所の人口減少地域でも、このような傾向が明確に現れている。人口増減率、高齢化および幼少年比率、早出生率、青年移動率など8つの指標を根幹に指定した減少地域89か所の中で、首都圏は仁川のカンファ(江華)郡とオンジン(甕津)郡、京畿道のカピョン(加平)郡とヨンチョン(漣川)郡の4か所に過ぎなかった。

 同省は最近の業務報告で「人口減少地域対応基本計画」を樹立。こうした地域に対する交付税支援を1兆ウォンから2兆ウォン(約1050億円~2100億円)に増やし、年1兆ウォン規模の地方消滅対応基金と他事業間の連係を強化するという、計画を明らかにした。

 新生児より死亡者が多くなったことで生じた人口減少が、韓国では全体的な人口の高齢化につながっている。昨年末、65歳以上の高齢人口は927万人で、全体人口の18%を占めた。とくに、チョルラナムド(全羅南道、25.2%)、キョンサンブクト(慶尚北道、23.8%)、チョルラナムド(全羅北道、23.2%)、カンウォンド(江原道、22.8%)、プサン(釜山)市(21.5%)、チュンチョンナムド(忠清南道、20.6%)の6か所は超高齢社会だ。

 その反面、ソウル市と仁川市、京畿道の首都圏で65歳以上の高齢人口の割合は、それぞれ17.6%と15.6%、14.7%で全国の平均よりも低かった。人口の減少も高齢化も、首都圏外の地方から先に始まり、打撃もさらに大きくなっているものとみられる。
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