国際決済銀行(BIS)のシン・ヒョンソン経済補佐官兼調査局長は1日、ソウル市チュング(中区)の大韓商工会議所で行われた「経済パラダイムの変化と韓国経済の対応方案」と題された韓国銀行と大韓商工会議所の第1回共同セミナーに参加し、このように明らかにした。
シン局長は、為替レートなどドルを通じた金融サイクルが貿易の方向性を決定する要因だと主張した。最近取り上げられている貿易の分割化が世界貿易規模の縮小や韓国の輸出減少につながるのではなく、ドル高が悪影響を与えたと評価している。
韓国経済のグローバル化の原動力は製造業だが、製造業は総資産の35%から50%を米ドルで運転資金の調達を行う。ドル高になると、運転資金の調達が難しくなり、それにともない世界各地に在庫を持つことができなくなって、製造業の輸出が萎縮するという構図だ。ドル安が進み、運転資金の調達費用が下落すれば、貿易規模が増加して輸出も急速に改善されると分析されている。
シン局長は「米ドルが昨年10月に最高値をつけた後に下落したうえに、インフレ見通しが現在の水準を維持すれば安定方向に向かう可能性が高いため、貿易が急速に改善される可能性がある」と述べた。
この日にシン局長と対談したイ・チャンヨン韓国銀行総裁は、シン局長の見通しをもとに貿易収支の改善を期待している。イ総裁は「ドル安にともない貿易収支が改善するという見通しを信じる」と述べ、「中国の経済活動再開により中国からの旅行客が韓国に来た場合、経常収支の改善も期待される」と述べた。ただしイ総裁は「中国は今年5%以上経済成長する見込みだが、その成長の恩恵を韓国がどれほど得られるかは未知数」とし、「この20年間享受してきた中国特需が消えており、中国の依存度を下げなければならない状況とみている」と説明した。
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