新型コロナウイルスのパンデミックを経て、ソーシャルディスタンス措置の解除後初の旧正月を迎えた2023年。韓国最大の連休を利用して、新型コロナ感染拡大期になかなか帰れなかった故郷に帰ったり、海外旅行に行こうとする国民が大幅に増えそうだ。
警察庁によると、旧正月の連休期間中の高速道路の予想交通量は1日平均519万台で、2022年(419万台)に比べて約23.7%増加し、人口の移動量が前年よりも20%以上増えるとみられている。インチョン(仁川)国際空港公社も今回の旧正月の連休期間(20日から24日)、仁川空港の利用客が計61万6074人に達するとみている。これは1日平均に換算すると12万人以上で、2022年の同時期に比べて14倍近く多い。
しかし、浮かれた気持ちで帰省の途や海外旅行の途につく人々とは違い、普段過ごす場所を離れることができない人もいる。このごろの新型コロナ感染再拡大と物価上昇による不景気のために生計がままならない自営業者や零細業者だ。
ソウル市カンソ(江西)区で定食屋を営むキムさん(45)は、「故郷は仁川市のカンファド(江華島)だけれど、旧正月当日の朝早くに実家に行って戻って来る予定」と語り、「経済的に厳しい時に店を休んだら損な上に、忙しい時間帯に雇った厨房スタッフも辞めるというので、休む暇がない」と訴えた。ソウル市ヤンチョン(陽川)区でカフェを営むチェさん(38)も、「以前は旧正月には旅行に行っていたが、最近は店の家賃と人件費を払うのも大変で、旧正月の連休期間中にアルバイトなしで朝から夕方まで一人でカフェを切り盛りしなければならない」とため息をついた。
自営業者だけでなく、社会の安全を保全するために昼夜を問わず働く軍人や警察・消防・環境公務官なども旧正月だからといって休むわけにはいかない。彼らは交代勤務で休むことなく黙々と職場を守っている。現在はまだ新型コロナ禍が完全に終息していないため、病院や療養所などに勤務する医療スタッフや介護者も同様だ。
ソウルで勤務する警察官のチョさん(37)は、「故郷はテグ(大邱)だが、職業の特性上、交代勤務と状況待機のせいで旧正月に故郷に帰って両親に会うことも難しい」と話し、「忙しくない時に休暇を取って故郷に戻って来たので、今回の旧正月は勤務しながらソウルで一人で過ごす予定」と語った。
ますます狭くなる大学入試や就職の関門を突破するために、塾や図書館に通って勉強するのに忙しい受験生と就職活動生たちも同様だ。365日、24時間営業しているコンビニエンスストアや、市民の憩いの場であるカフェで働くアルバイトたちもいる。彼らは大型連休でも普段と変わらない「相対的剥奪感」に深いため息をつく。
ソウル市ヨンサン(龍山)区のコンビニエンスストアでアルバイトをしているイさん(26)は、「近くにマンションがある店舗なので、旧正月を過ごすために出かけて行くお客さんが多いが、故郷に帰れない私は『現実自覚タイム』を感じることがある」と苦笑いを浮かべた。ソウル市マポ(麻浦)区のスターバックスの店員も「旧正月の連休期間中もお店は通常営業するので、私も出実家にはまた今度帰ろうと思う」と語った。
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