順天市は増えるナベヅルを保護するために12日にカンゥオンド(江原道)チョルウォン(鉄原)郡、チュンチョンナムド(忠清南道)ソサン(瑞山)市、チョルラナムド(全羅南道)ヨス(麗水)市・クァンヤン(光陽)市・コフン(高興)郡・ポソン(宝城)郡など6つの自治体長と協約を締結し、韓国政府にナベヅルの生息地分散のための南海岸ベルトの造成を要請した。
ナベヅルはシベリアと中国東北部で繁殖し、10月には越冬のために韓国や日本、中国西部などに移動するが、移動経路上で個体数が大幅に減って絶滅の危機に直面した。乱開発によって湿地が減ってえさとなるトンボが消え、人間の活動により居場所を失い、危険要因が増えた。タンチョウ類は大柄で移動速度が速い。電柱や電線への衝突が事故全体の36%を占める。さらに、新しい危険要因である鳥インフルエンザの流行は、ナベヅルの越冬地を増やし、渡り鳥の分散を通じた保護の必要性を高めている。
日本の出水で今回のナベヅルの集団死が発生した原因の一つは、人工の水田の汚染により鳥インフルエンザが急速に広がったためだ。 出水はナベヅルの世界最大の越冬地で、約50年間に渡ってナベヅルの越冬のために104ヘクタールに及ぶ保護地域にえさとなるトンボを与えている。人為的に作られた水田は湿地とは異なり、水が流れることなく滞留し、鳥インフルエンザの急速な感染拡大につながったと日本の研究家たちはみている。ガンやカモ類と共に渡り鳥が保護地域を共有し、鳥インフルエンザの発病と感染拡大を防ぐために地理的な分散が必要だとの指摘もある。
今年順天湾に飛来したナベヅルの個体数は12日時点で5000頭余りに達し、市では増えるナベヅルのために保護区域を拡大する計画だ。順天市では2009年に水田61ヘクタールを保護区域に指定している。282本の電柱の撤去を行い、この区域で生産された稲を買い入れてえさとして提供している。今後さらに沿岸の水田109ヘクタールを追加確保して保護区域を増やす計画だ。このため2022年末にナベヅルのえさ場周辺のビニールハウス7棟に対しての補償を完了し、今年ナベヅルのえさ場として復元する計画だ。
しかし、中距離移動を頻繁に行うナベヅルの特性上、韓国国内の他の越冬地でも同様な保護管理に対する努力が要求されている。韓国国内に飛来したナベヅルは順天湾周辺の慶尚南道ハドン(河東)のカルサ(葛沙)湾、全羅南道麗水・光陽・高興・宝城に隣接するヨジャ(汝自)湾、そして瑞山のチョンス(浅水)湾まで分散している。しかし、今回の協約ではナベヅル飛来地のひとつであるヨンナム(嶺南)圏とキョンギ(京畿)圏は入っておらず、政府レベルの管理が要求されるという指摘もある。ナベヅルは生態系で重要度が高く、保護する価値のある種に該当する。ナベヅルを保護すれば、他の保護種にも恩恵を与えることができるという意味だ。
国際タンチョウ財団のスパイク・ミリントン副会長は「ナベヅルの潜在的越冬地を発掘し、生息環境の改善やえさやりなどを通じて越冬地を拡大しなければならない」と述べ、「ナベヅルを多様な地域に分散させ、国際的な絶滅危機種が保全されるよう、協力をお願いしたい」と語った。
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