農産物の価格に含まれる流通費用の割合を示すグラフ(画像提供:wowkorea)
農産物の価格に含まれる流通費用の割合を示すグラフ(画像提供:wowkorea)
韓国政府が農産物の流通費用を減少させるために、流通のオンライン化を急ぐことを決めた。産地にスマート産地流通センター(APC)を設置して流通構造を効率化し、オンライン卸売取引所を作って卸売手数料も引き下げる。これを通じて2027年には年間で2兆6000億ウォン(約2800億円)の流通費用を節減することを目標としている。

農林畜産食品部によると、農産物の流通費用は人件費や賃貸料など卸・小売にかかる費用の増加により毎年上昇しており、2001年には農産物価格の43.7%に過ぎなかった流通費用の割合は、2020年には47.5%まで上昇している。

スマート産地流通センターは、ロボットのような先端設備を利用して農産物の選別や包装など全体工程を自動化したシステムにより、家庭で簡単に食べられる形態への加工など、消費者のニーズに合った農産物を安定的に供給することができる。韓国政府は今年15か所のスマート産地流通センターを設置し、2027年までにこれを100か所に増やし、園芸・農産物の生産量の50%をスマート産地流通センターで取り扱う計画だ。

農産物のオンライン取引所を作り、これまで非効率的だった物流体系も改善する。現在は取引量の多い大都市の卸売市場を中心に物流体系が整っており、農産物の流通は首都圏に集中している。これに対し、地方の卸売市場では首都圏にある卸売市場から品物を取り寄せてから再び取引する「逆物流現象」も発生している。

オンライン取引所では卸売業者が全国どこでも取引ができるようにする。購入者が取引したい数量を事前に予約し、希望した日に受け取ることができるオンライン取引の特性を生かし、購入者が希望する条件に販売者が販売金額を提示する逆売買など、多様な取引方式も導入する。取引手数料も安くなる見通しだ。現在最大7%程度かかっている委託手数料は5%程度まで引き下げ、オンラインプラットフォームの使用料は0.5%から0.3%まで引き下げる計画だ。

一方で韓国政府は10日、高病原性鳥インフルエンザ(AI)の感染拡大に備え、スペイン産卵141万個を試験輸入することを発表した。これは国内の1日の卵の生産量(約4500万個)の2.7%に当たる数量だ。現在のところはまだ卵の需給が安定しているが、1月まで渡り鳥の流入が続いて鳥インフルエンザが感染拡大した場合、殺処分される鶏が大幅に増加し、韓国国内の卵の供給が難しくなる可能性が少なくないためだ。

スペイン産卵はこの日から韓国に順次到着し、15日から消費者が購入できるようホームプラスと食材業者に供給される予定だ。スペイン産卵は国産卵よりも産卵日から3日〜5日遅れて流通するため、さらに安く流通するものとみられる。畜産物品質評価院によると、前日時点での卵L玉30個の全国平均価格は6622ウォン(約705円)だ。

農林畜産食品部のキム・ジョンウク畜産政策官は「今回の卵の輸入は今後鶏の殺処分が大幅に増加し、国内の卵供給が難しくなった場合に備え、一部の物量を試験的に輸入したもの」と述べた。
Copyrights(C) Edaily wowkorea.jp 107