韓国・仁川市で40代の労働者が墜落死…物議を醸す「重大災害処罰法」の効果(画像提供:wowkorea)
韓国・仁川市で40代の労働者が墜落死…物議を醸す「重大災害処罰法」の効果(画像提供:wowkorea)
6日、韓国ではソウル近郊のインチョン(仁川)市で40代労働者が墜落死し、労働当局で調査に乗り出している。そうした中で、責任のある経営者を処罰するために制定された「重大災害処罰法」の効果について、否定的な意見が出ている。

 6日、韓国雇用労働省によると、同日午後1時50分ごろ、仁川市ヨンス(延寿)区ソンド(松島)洞にある建設中の近隣生活施設新築工事現場で、墜落事故が発生。作業中だった労働者のA氏(49)が足場から落ちて死亡したと、イーデイリーなど多数の韓国メディアが報じた。

 A氏は5階で作業中に、足場にこぼれたコンクリートを片付けようとして開口部に墜落したという。事故が起きた現場は、工事金額が50億ウォン(約5億2600万円)以上であるため、重大災害処罰法の適用対象となる。

 重大災害処罰法は、韓国で昨年1月27日から施行された法だ。常時勤労者50人以上(建設業は工事金額50億ウォン以上)の事業場で、労働者の死亡など重大災害が発生した場合に適用される。事故予防のための義務を果たさなかった事業主・経営責任者に対して、1年以上の懲役、または10億ウォン以下の罰金に処すことが可能だ。

 韓国雇用省は現場での作業を中止するよう命令し、事故原因を究明する一方、重大災害処罰法と産業安全保健法違反の有無を調査している。

 これについて、メイル新聞7日付社説では、「施行から約1年経つ同法が、その効果を巡り、物議を醸している」と、同法の問題を提起した。

「同法は立法当時から適用対象と処罰の程度などで、多くの意見があった。処罰条項は強力だが、実際に昨年一年間の労働災害発生で起訴された件数は、11件に過ぎない」と指摘。

「労働界および財界との十分な議論もなく、7か月間で早急に法を作ったため、結果的に弱点だらけになってしまった」と批判した。
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