「15年間商売をしてきたが、このごろ本当に大変」…個人店主たちの悲鳴=韓国報道(画像提供:wowkorea)
「15年間商売をしてきたが、このごろ本当に大変」…個人店主たちの悲鳴=韓国報道(画像提供:wowkorea)
「この場所で15年間商売をしていますが、こんなに大変なのは初めてです。新型コロナ禍も切り抜けてきたのに」

ソウル市マポ(麻浦)区ハプチョン(合井)洞で約80平米規模のパティスリーを経営するキムさん(49)は、最近夜寝られないと訴えた。家主が「近隣が全て値上げしているので仕方がない」と、先月から賃貸料が月260万ウォン(約27万4000円)から300万ウォン(約31万7000円)へと、約15%値上げしたためだ。

賃貸料の上昇だけでなく、生クリームやバターなどのお菓子作りに必要な材料の価格が大幅に値上げされ、それが負担になっている。キムさんは「最近になってケーキ作りが重荷になってきた」と語り、「生クリーム500グラムは4000ウォン(約422円)から5000ウォン(約527円)に、イチゴ1パックは5000ウォンから1万ウォン(約1054円)に、バターも1ケース10万ウォン(約1万50円)から12万ウォン(約1万2600円)に相次いで値上がりした」とため息をついた。

お客さん側の懐事情も悪化して売上が減ったが、「地元密着型のパティスリー」なので価格改定が難しい。キムさんは「以前はお客さん1人あたり1万ウォン程度買ってくれていたが、最近は不景気で8000ウォン(約843円)程度に客単価が減った」と語り、「思い通りに値上げをすることもできない状況だ」と吐露した。

「希望」が見えないことが、より大きな「絶望」として迫ってくる。融資を受ける時の金利まで暴騰し、新型コロナのパンデミック期間に店舗維持のために借りた利子の負担がますます大きくなり、さらに電気料金などの公共料金の値上げも経営を圧迫している。キムさんは「3年前に2%から3%で借り入れた住宅担保融資金利が7%から8%に達し、利子を払うのも難しい」と語り、「それでも夫と一緒に仕事をしながら人件費を減らして何とかやってきたが、金利があまりにも高いので今後持ちこたえられるか心配」と話した。続けてキムさんは「今も月に100万ウォン(約10万5000円)以上電気料金がかかっているのに、今後どこまで値上げするのか心配」と付け加えた。

ソーシャルディスタンス解除以後、自営業者たちは久しぶりに笑いを取り戻したのもつかの間、金利・材料価格・人件費などが相次いで引き上げられる「三重苦」に苦しめられている。

ソウル市カンソ(江西)区ヨムチャン(塩倉)駅の近くでカラオケ店を経営するイさん(51)の事情も似たりよったりだ。イさんは「カラオケの機械を20台使っているが、固定費の70%以上が電気代」と語り、「月に電気代だけで70万ウォン(約7万4000円)程度かかるが、さらに値上がりしたらどうしたらよいか分からない」と吐露した。特にカラオケ業界はこれまでソーシャルディスタンス措置により営業ができず、賃貸料や管理費、著作権料や改装費用などが借金としてそのまま残っている。イさんは「借金を返済するために今も配達の副業をしている」と語り、「新型コロナ禍での集会禁止命令によって2年以上収入が減り、最近アルバイトを雇用する代わりに親戚に助けを求めた」と語った。

ソウル市クァナク(冠岳)区でホルモン屋を営むキムさん(62)も「ソーシャルディスタンス措置が終わった時は少し良くなったが、現在はクリスマスや年末の特需は全くない」と語り、「以前はホールのスタッフもいたが、人件費を減らさなければならないので妻と2人で店を回している」と話した。

自営業者らは政府が支援金などを支給すべきだと要求している。冠岳区で豚足屋を運営するオさん(29)は「材料費が高騰し、人件費も上がって新型コロナ禍の時より良くなったことがひとつもない」と語り、「新型コロナの影響により優遇されていた生ゴミ廃棄代が今月までだが、韓国政府は期間を延長してほしい」と話した。

専門家たちは来年度は経済状況がさらに悪化するとみており、韓国政府が金利負担緩和や経営資金支援、中長期的な競争力強化政策などで個人商店の経営を支援すべきだと助言している。スンミョン(淑明)女子大学経済学部のシン・セドン教授は「零細経営者に限定して低金利で融資する支援策を作り、借金が雪だるま式に増える最悪の状況を防ぐよう、運営資金もサポートすべき」と述べ、「中長期的に着実に利益が出せる方案などを用意しなければならない」と強調した。

政府による支援を拡大させると国家の財政が悪化するため、最低賃金などの政策によって解決すべきだという提言も出ている。コングク(建国)大学金融IT学科のオ・ジョングン教授は「国家負債が増えている状況で支援だけに依存することは国家財政を悪化させる悪循環に陥るおそれがある」と述べ、「国会で最低賃金などの関連政策を通じて問題を解決しなければならない」と述べた。
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