韓国銀行はこのような景気下向の危険を反映させ、この日、基準金利率を0.25%引き上げ、年3.25%で運用することを決定した。これは2012年7月以降、10年ぶりに最も高い水準である。来年の上半期まで5%台の消費者物価上昇率が予想されることから「金利の引き上げ」で対応するが、高まった景気下方の危険を反映させ、引き上げ幅を狭めたものとみられる。
韓国銀行はこの日、修正経済展望を通じて来年の成長率展望値を1.7%に引き下げた。これは、ことし8月の2.1%より0.4%低い数値である。来年の物価上昇率の展望値は3.6%で、直前の展望値より0.1%下向した。
このような成長展望の下向は、主要国の成長の弱まりにより輸出が鈍化するなど景気下方の危険が高まり、国内の景気活力を引っ張ってきた消費の回復も弱まったためだとみられる。
成長を牽引してきた輸出は、すでに赤信号が灯った状況だ。原資材価格の上昇により輸入費用が上がり、半導体など輸出主力品の価格が下落したことから、今月までの貿易収支の赤字は400億ドルとなり、史上最大規模を記録している。
また、防疫指針の緩和などにより内需の景気を引っ張ってきた民間消費も、高物価・高金利により活力を失っている。
韓国ソガン(西江)大学のパク・ジョンス経済学科教授は「物価上昇とそれにともなう金利引き上げが来年の上半期まで続くものと予想されているため、この期間、韓国経済は困難になるものとみられる」とし「ただ、戦争の終了や原油価格の下落など、わが経済にとって肯定的な出来事が起きれば状況はよくなるが、現状況でみると来年上半期まで景気展望は否定的だというのが優勢だ」と語った。
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