「北朝鮮人権決議案」が16日(現地時間)、国連総会第3委員会で採択された(画像提供:wowkorea)
「北朝鮮人権決議案」が16日(現地時間)、国連総会第3委員会で採択された(画像提供:wowkorea)
4年ぶりに韓国政府が共同提案国として参加した「北朝鮮人権決議案」が16日(現地時間)、国連総会第3委員会で採択された。今回の決議案は、来月の国連総会本会議に上程される予定である。一方北朝鮮は、イテウォン(梨泰院)ハロウィン転倒事故について言及し韓国政府を非難した。

EU(ヨーロッパ連合)の加盟国たちが主導した今回の決議案は、加盟国の評決要請なしにコンセンサス(全員同意)で採択された。決議案には「北朝鮮による組織的で広範囲かつ重大な人権侵害が行なわれ、現在も行なわれていることを最も強い言葉でもって糾弾する」と記された。

韓国外交部(外務省)は17日、論評を通じて決議案の採択を歓迎し「国連総会が今回の決議で、北朝鮮に対する他国民を対象にした人権侵害に関して、遺族と関係機関にあらゆる情報を公開することを求めた点に注目する」と伝えた。これは「黄海上での韓国公務員銃殺事件」に関する韓国政府と遺族側の要求が受け入れられたものだと解釈される。

今回の決議案には、脱北漁民の強制北送事件に関して「北朝鮮に送還された北朝鮮住民たちが、強制失踪・恣意的処刑・拷問・不当な待遇・国際規範に反する人権違反の対象となってはならない」という指摘が盛り込まれている。また「新型コロナウイルス感染症により、北朝鮮の人権と人道主義の状況が悪化している」と指摘し、核・弾道ミサイルプログラムの資源を転用したことを糾弾した。

一方この日の会議で、北朝鮮のキム・ソン(金星)国連大使は「今日、米国と西側諸国は人権問題を、内政に干渉し他国の体制を転覆させるための政治的道具として乱用している」と強く批判した。

特にキム大使は、4年ぶりに人権決議案に共同提案国として参加した韓国政府に対し「内治能力の足りなさが原因となった人災である類をみない圧死事故を起こした」とし「そのような韓国政府が対内外的な批判を抑えるため、国連で人権問題を最大限利用しようとしている」と批判した。

これにペ・ジョンイン(ぺ鍾仁)駐国連代表部次席大使は「北朝鮮は、全世界が弔意を表している中、ミサイル挑発を行なった」とし「人道主義に反する北朝鮮の態度に、韓国政府はあらためて失望を感じる」と語った。韓国外交部は「北朝鮮が国連総会の決議勧告にしたがって、住民たちの人権・人道的状況改善のための実効的な措置を直ちにとることを求める」と伝えた。

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