教育当局が加入した保険の中で最も目を引くのは、試験監督官に対する賠償責任保険だ。10日、韓国教育課程評価研究院(評価院)によると、評価院は全国の試験場で監督する約1万2000人に対して、賠償責任保険の加入手続きを行っている。請求1件当たり1億ウォン(約1047万円)、最大20億ウォン(約2億円)まで補償する保険だ。被保険者には監督官だけでなく、試験開始と終了を知らせる係員、保健担当なども含まれる。保険会社はDB損害保険が有力だ。
監督官賠償責任保険は試験日当日、試験場で監督官などが業務遂行中に発生した事故に対して賠償が請求された場合、法律上の損害賠償金を補償する保険だ。2016年度には監督官が試験途中に使用できる時計を「搬入不可能な時計」と案内。時計を持たずに試験を受けた受験者が、監督官を相手に訴訟を提起したこともある。
2020年にはある試験場で4時間目の試験終了を知らせる鐘が2分早く鳴ったため被害を受けたとして、受験生と保護者が国家を相手取って訴訟を起こしている。訴訟は現在も進行中だ。評価院が推算した損害額は9000万ウォン(約942万円)にも及ぶ。評価院の関係者は「監督官への忌避現象が起こっている。監督官の負担を解消するために、2019年から賠償責任保険に加入している」と述べた。
試験日は普段より高い緊張と不安で危険が起こる可能性も大きい。それだけに、受験場内の安全事故などに対する対策も用意されている。これは保険でなく、各教育庁内の学校安全共済会を通じて解決。対象は高校3年生と監督官などだ。これは学校安全法によるもので、事故が起きた場合は障害給与や看病給与、遺族給与、葬儀費などが支給される。ある地方教育庁の共済会関係者は「修学能力試験も教育活動なので、保険に加入せず事故が起きた場合、審査を経て補償金が支給される」と説明した。
ただし、浪人生は補償対象から外されている。共済会の関係者は「生徒・教職員および教育活動参加者が、学校安全事故により被った被害を補償する」とし、「浪人生は該当しない」と述べた。
韓国の大手予備校であるチョンノ(鐘路)学院が今年8月の最近10年間、6月の修学能力試験模擬評価と、本修学能力試験の在学生・浪人受験者(願書受付基準)の割合などを基に推算した結果によると、2023学年度の修学能力試験には16万1400人(31%)の浪人生が受験するという。浪人生としては、1997年度以降最多の受験生だ。
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