以下は金大使との一問一答。
キム・ジョンフン の最新ニュースまとめ
――釜山APEC首脳会議の開催意義は
「韓国は1989年に豪州とともにAPECを創設した。91年のソウル閣僚会議に次いで14年ぶりに首脳会議を開催することは意味が大きい。ソウル閣僚会議で韓国政府は、中国を説得し中国と台湾、香港3地域の加盟に中心的な役割を果たすなど、政治力を発揮したことがあった。こうした点からAPEC加盟国は韓国を非常に重要なパートナーとして認識している。釜山首脳会議は1994年のボゴール宣言の中間地点に当たり、韓国は議長国としてこれまでのAPECの成果を評価し、これをもとにした政策の方向性を示すのに主導的な役割をすることになった点も格別な意味がある」
――ボゴール宣言の中間評価の意味も示されたが
「APEC首脳は1994年にインドネシアのボゴールで開かれた会議で、貿易投資自由化の目標年度を先進国は2010年、開発途上国は2020年とそれぞれ設定しており、今年がその中間点となる。韓国は今会議の議長国として自由化目標の推進状況とこれまでの成果を評価し、目標達成案を示すなどの中間評価を行った後、これを基に貿易投資自由化の方向性を示す『釜山ロードマップ』を提示する方針だ」
――「自由貿易協定(FTA)と多者間貿易体制の調和」も主要目標として示されたが
「世界的に広がりをみせてきたFTAは、締結国にだけ特別な利益を与え第3国には差別的な待遇をしており、最恵国待遇(MFN)など一般的な多者間レベルの貿易自由化とは論理的に相反している。釜山APEC会議ではこのような点を重要な問題点として認識し、FTAと多者間貿易体制の調和を積極的に模索していく案を加盟国と事前に話し合ってきた」
――両者はどのように調和を行っていくのか
「WTO非農産品市場アクセス(NAMA)、すなわち工業製品に対する関税の大幅な縮小を通じ、先進国と途上国間の格差をある程度解消するのも貿易投資の自由化目標に大きな助けとなるだろう」
――人間の安全保障(Human Security)強化の問題は今回初めて扱われるのか
「2003年にタイのバンコクで行われた首脳会議で初めて提示され、テロ問題を貿易や企業活動とを連係させ集中的に扱った。『人間安全保障』は大きく3つの枠で議論が可能だ。1つ目はテロ対策、2つ目はエネルギー価格の暴騰などエネルギー需給の安定対策、3つ目は鳥インフルエンザや重症急性呼吸器症候群(SARS)、コレラなど伝染病に対する共同対処案だ。これらに対する話し合いが『人間の安全保障』のため必要だという内容だ。この問題も地域協力の強化と貿易投資の自由化などとともに首脳宣言文に盛り込まれるだろう」
――政府が最近、北朝鮮代表団の出席を検討していないと明らかにし、金正日(キム・ジョンイル)総書記や最高人民会議の金永南(キム・ヨンナム)常任委員長の出席は事実上不可能だと認識されているが
「そう思っている。昨年ジャカルタで開かれたASEAN地域フォーラム(ARF)に次いで、今年初めにも外交通商部の潘基文(パン・ギムン)長官が北朝鮮をAPECに招く意思を明らかにしたが、北朝鮮はいまだ何の回答もしてきていない。また、ほかの加盟国も貿易投資自由化などを主に話し合う今会議に北朝鮮が出席することに関心がないようだ」
――APECが追求するアジア・太平洋企業の環境は
「安全で透明な企業環境を作り出すことだ。APECがほかの国際機関に触れずに企業価値を創出しようとするなら、関税の引き下げだけではなく各国の衛生・環境適用基準の国際化と調整、標準化基準の調整、企業人材の移動円滑化(APECビジネス・トラベル・カード)、電子商取引などの企業環境が円滑化されねばならない」
――現在の首脳会議の準備状況は
「APEC企画団による最終的な準備が順調に行われていると把握している。また10日に首脳会議の議題と閣僚会議の議題を確定しすべての加盟国に発送した状態だ。今年初めから議論してきたボゴール目標の中間点検とこれによる釜山ロードマップ、さらにFTA関連のモデルなどを、閣僚会議(11月15~16日に開催)を経て首脳会議で承認を受けるため最終作業を行っている」
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