ICSIDは併せて、11年12月3日から賠償金の支払いが完了する日までの利息の支払いも命じた。1000億ウォン(約103億円)程度になると推計される。
ただ、韓国通貨ウォンは現在、対ドルで下落が続いており、ウォン換算の賠償金は膨らむ可能性もある。
ローンスターは03年にベルギーの子会社を通じて韓国外換銀行の株式を1兆3834億ウォンで取得した。複数の企業と売却交渉をした末、12年に韓国・ハナ金融持ち株に3兆9157億ウォンで売却した。
これに関しローンスターは、韓国政府が韓国外換銀行の売却に不当に介入したことで46億7950万ドルの損害が発生したとして12年11月、投資家対国家の紛争解決(ISDS)条項に基づきICSIDに仲裁を申し立てた。ISDSは、海外の投資家が投資先の国の法令や政策によって被害を受けた場合に国際仲裁を通じて損害賠償を受けられるようにする仕組み。
ローンスターは韓国政府の介入により高値で売却する機会を失い、むしろ値下げを余儀なくされたと主張した。韓国金融委員会が正当な理由なく売却承認を遅らせたり、売却価格を引き下げるよう圧力をかけたりしたという。また、国税庁が恣意的な基準を適用して課税したと反発した。
これに対し韓国政府は、ローンスターの株価操縦疑惑などの刑事裁判が進行中だったため、正当に売却審査期間を延ばしたと反論。売却価格が下がったのは、事件の有罪判決を受け韓国外換銀行の株価が下がったためだとした。課税に関しては、ローンスターが課税免除を目的に実体のない会社を使ったと見なし、実質課税の原則を適用したと説明した。
ICSIDの裁定は請求額の4.6%の賠償だったことから、ローンスターの主張の大部分を退けたとの見方ができる。
韓国政府は追って分析結果を説明する予定だ。韓東勲(ハン・ドンフン)法務部長官は「異議申し立てなど、必要な手続きを準備する予定だ」と述べ、「国益に沿うよう、最善を尽くす」と強調した。
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