韓国の憲法裁判所、無分別な通信照会にブレーキ…国会での慎重な討議を求める声も(画像提供:wowkorea)
韓国の憲法裁判所、無分別な通信照会にブレーキ…国会での慎重な討議を求める声も(画像提供:wowkorea)
韓国の憲法裁判所(憲法裁)は21日、捜査機関が令状もなく、加入者の情報が含まれた通信資料の提供を移動通信会社から受けられるようにした現行法の条項について、「憲法不合致」の決定をくだした。

 憲法裁判所の憲法不合致決定で、今後の捜査に変化が生じる見通しだと、韓国メディア「ヘラルド経済新聞」が22日に報じた。現行法条項の改正は国会での討議で決まるため、国会での慎重な討議を求める声も出ている。

 韓国の国会では、来年12月31日前までに電気通信事業法83条3項に替わる改正法を制定しなければならない。憲法裁の決定を受け、通知義務を別に定めなかった現行の通信照会根拠規定は、年内の期限付きで適用される。この規定は捜査・情報機関が求めれば、通信会社が個人の住民番号・住所・電話番号などを提供できるようにしている。

 韓国の法曹界では憲法裁の決定だけでも、捜査機関の今後の捜査が一定部分変わるしかないとみている。刑事事件の専門家である弁護士は「今は通信会社が要請を受け次第、捜査機関に提供している。しかし、通知義務が生じれば、通信会社でも拒否する可能性が高くなるだろう」と見通した。科学技術情報通信省の統計によると、電話番号数の基準で、昨年検察・警察・国家情報院・高位公職者犯罪捜査処(公捜処)などに提供された通信照会は、重複を含め504万456件に達している。

 ただ、単に通知義務だけを規定することで、捜査機関の無分別な通信照会がなくなるわけではない。憲法裁が現行法での通信照会自体を禁止していないからだ。そのため、国会が改正法を制定する際に、通知義務の他に無分別な通信照会を制限できる内容も考慮すべきとの主張も出ている。

 通信照会憲法訴願事件を代理した法務法人ウリのキム・ジョンチョル代表弁護士は、「国会議員たちに公聴会などを求め、現行法を改善する内容の議論を促す」と述べた。

 憲法裁は21日、韓国刑事訴訟法学会などが電気通信事業法83条3項などに対して起こした憲法訴願事件で、裁判官全員一致の意見として憲法不合致決定した。

 公捜処は声明文を通じて「憲法不合致決定にともなう後続措置として、今後国会が該当法条項の改正を進める場合、議論に積極的に参加したい」と明らかにしている。

 ハンギョレ新聞は21日の報道で「国会は憲法裁の決定趣旨を反映することはもちろん、一歩進んで司法的統制方案まで補完された方案を急いで進めてほしい」と求めた。
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