10日、法曹界によると、ソウル行政裁判所行政3部は、ソウル市教育庁公務員A氏がソウル市教育監を相手取って起こした減給処分取り消し訴訟で、原告敗訴判決を下した。
A氏は2020年5月、地下鉄でスマートフォンの無音カメラアプリを利用してスカートをはいた20代女性の後ろ姿を無断で撮影した。彼の犯行は地下鉄の窓ガラスを通して、自分の写真を撮って拡大する姿を目撃した被害女性による通報で捕まった。
A氏は警察の取り調べで容疑を否認した。 A氏は警察に初期化させた携帯電話を提出し、被害女性を撮った事実はないと供述した。彼は地下鉄内で乗客の全身を風景写真として撮影しただけで、特定女性を対象に写真を撮影したわけではないと主張した。
しかし、警察はA氏が携帯電話を初期化し、無音カメラアプリを設置した事実を確認し、結局容疑を認めた。 彼は2020年初めから地下鉄内で不特定多数の女性の身体を不法撮影してきたことが明らかになった。 A氏は捜査過程で担当警察官に、減刑を頼むという趣旨の携帯メールを送ったこともある。
警察は起訴意見で事件を送検したが、検察は「性的欲望または羞恥心を誘発しうる他人の身体を撮影したとは認めにくく、これを認める証拠もない」として嫌疑なしと処分した。
刑事処罰とは別に、ソウル市教育庁はA氏の不正事実を認知した後、品位維持義務違反などを理由に減給1か月の懲戒を下した。
すると、A氏は突然態度を変えた。 不法撮影自体を認めず、懲戒処分は不当だとしてソウル行政裁判所に訴訟を提起した。彼は検察が自身に嫌疑なし処分をし、警察調査当時、強圧的な捜査のせいで不法撮影を認めざるを得なかったと主張した。 また「CCTVが設置された地下鉄に乗る人は、本人が撮影されると黙示的に同意したと見ることができる」という論理も展開した。
しかし、裁判所はA氏の主張を受け入れなかった。 裁判所は「検察の疑いなし処分は、A氏が全身を撮影した事実は認められるが、特定の身体部位を浮き彫りにして撮影しなかったことに伴うもの」とし「警察の出席要求以後、A氏が携帯電話を初期化した点、最初は疑惑を否認して初期化した携帯を提示した点など、撮影事実を認めたことが合理的に説明できない」と指摘した。
続けて「A氏は教育庁公務員として高い水準の道徳性・倫理意識・品位維持義務などが要求されるが、A氏の行為は不正程度が軽くなく、非難の余地が高い」とし、「A氏に対する懲戒が公平の原則に反する。または帰責事由に比べて過度に苛酷で懲戒裁量権を逸脱・乱用したとは見られない」と判示した。
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