圧勝を収めた与党、安倍元首相“宿願”の改憲推進速度を上げる見通し=韓国報道(画像提供:wowkorea)
圧勝を収めた与党、安倍元首相“宿願”の改憲推進速度を上げる見通し=韓国報道(画像提供:wowkorea)
参議院選挙で与党(自民党と公明党)が圧勝を収めた理由の一つが銃撃によって死亡した安倍晋三元首相に対する同情票にあるだけに、政界は安倍元首相の念願だった自衛隊の存在を明記する改憲に速度を上げるものとみられる。

 10日に行われた参議院選挙で与党が過半数はもちろん、3分の2以上の議席数を確保したことには、8日の安倍元首相の悲劇的な死が影響を及ぼしたものと分析される。今月初めの朝日新聞など日本メディアによる世論調査ではすでに自民党の勝利が予想されていたが、不幸に見舞われた自民党に対する同情票まで集まり、圧勝となったのだ。

 自民党の勝利は安倍元首相の悲劇が一助となっただけに、政界は安倍元首相の念願だった自衛隊の存在を憲法に明記することを骨子とした改憲に速度を上げるものとみられる。安倍元首相は平和憲法(日本国憲法第9条)を改正して自衛隊の存在根拠を明記し、日本を“戦争可能な国家”にする案を生涯の課題として推進してきた。銃撃にあった日に安倍元首相が自民党候補者の演説に出たのも、改憲宣伝のために直接乗り出した側面が強い。

 自民党は参議院選挙の圧勝によって、改憲を推し進める正当性を確保した。自民党と公明党、日本維新の会、国民民主党などを含む改憲賛成勢力は、今回の選挙を通じて改憲発議に必要な参議院議席数の3分の2(166席)以上を維持することになった。

 安倍元首相の遺志である改憲推進を受け継ぐべきだという世論の力も増幅される可能性がある。すでに安倍元首相の銃撃事件前から日本人の多数が改憲に賛成していることが調査で分かった。ロシアによるウクライナ侵攻、中国の海洋進出、北朝鮮のミサイル発射などで安保脅威が高まっているためだ。今年4月に読売新聞が実施した世論調査では、60%以上の日本人が改憲に賛成すると回答した。改憲関連の世論調査が始まった2015年以後、最も高い賛成率だ。

 ただ、昨年10月の衆議院選挙に続き、今回の参議院選挙まで与党の勝利を導いた岸田首相が安倍元首相の影から抜け出す決心をすれば、自民党は政治的荒波に陥り、改憲推進も緩急が調節されることもあり得る。安倍元首相とその軍国主義理念が盛り込まれた軍事・安保政策に対する日本内部の評価が常に分かれていたためだ。反安倍世論は常に存在した。

 今後3年間、大型選挙がない、いわゆる“黄金の3年”を送ることが確実視される岸田首相の立場では、安倍元首相から抜け出し、自身と自身が属した派閥の意を広げる機会を迎えたものと分析される。
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