斗山重工業の淡水・発電プラントの中核技術を競合会社で盗用した疑いで、STX重工業の社長と常務が逮捕された。業界にも大きな波紋が投げかけられることになりそうだ。ひとつのプロジェクト受注額が数兆ウォンに達する淡水化設備分野は、中東からのオイルマネーを背景に市場事業性の見通しが明るい。斗山重工業が世界市場でトップの地位を守り続けているなか、新規参入のSTX重工業に厳しい視線が注がれることは避けられそうにない。
 ソウル中央地検は9日、斗山重工業で在職当時にかかわっていた技術と営業上の秘密資料を盗み新たに就職した会社で使った容疑(不正競争防止及び営業秘密保護に関する法律違反)で、STX重工業産業プラント部の社長と発電本部長を拘束した。プラント部社長は斗山重工業の技術研究院長などを歴任し2007年4月に非常任顧問として退社したが、淡水化関連の中核的な営業秘密である多段フラッシュ(MSF)や多重効用法(MED)などの設計プログラムと手順書など184件の資料を持ち出し、STX重工業の業務用コンピュータとUSBメモリなどに保存した疑いが持たれている。常務は、斗山重工業在職時に持っていた173の秘密ファイルが入ったUSBメモリを会社に返さないまま退職した。また、斗山重工業の社員を通じ、大型プロジェクトの入札検討書など262の中核営業秘密資料が入ったUSBメモリを盗んだ疑いもある。前の会社で携わっていた技術を持ち出し別会社に就職しただけでなく、元の会社に「スパイ」を置き組織的に技術を盗んだことになる。

 検察は、プラント部社長らがこうした資料を用い、2兆ウォン相当のサウジアラビア大型淡水プロジェクトやインドネシアの発電事業などへの事業参入を推進してきたとみている。入札準備資料には斗山重工業の資料にあった主要データがそのまま記されているほか、誤った表記までもそのまま残っていることが確認された。

 STXは最近、淡水・発電プラント事業に新たに進出した。拘束された2人のほか、巨額の年俸を提示し斗山重工業からスカウトした人材が重職を占めている。検察は、STX関係者のうちこのほかの斗山重工業出身者についても、元の職場から資料を持ち出し不当に使用した可能性が高いとみて、捜査対象を広げている。


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