マスク二重に付けた金正恩氏、平壌市内の薬局を視察…「医薬品供給に人民軍を投入」

キム・ジョンウン（金正恩）国務委員長（朝鮮労働党総書記）はピョンヤン（平壌）市内の薬局を視察し、マスクを2枚重ねて付けた姿が捉えられた。

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16日朝鮮中央テレビは、前日に金委員長が新型コロナウイルスと関連した非常協議会を開いた後、平壌市内の薬局を訪れ現場を視察したと報道した。

その際に金委員長はデンタルマスクと推定される、薄そうな緑色のマスクを2枚重ねて着用していた。金委員長に随行する参謀らや会話をした薬剤師はマスクを1枚だけ付けた状態だった。

金委員長は北朝鮮の新型コロナウイルス拡散の中で新型コロナウイルスと関連した医薬品がきちんと供給されていないとし、人民軍を投入するよう命令した。金委員長は、「全国的に党中央委員会政治局が伝染病の伝播状況を迅速に抑制管理するため、国家予備医薬品を緊急解除し直ちに補給するよう非常指示まで下し、すべての薬局が24時間の運営体系に入るよう指示したが、まだ執行されていない」と指摘した。

また、「人民軍隊の軍医部門の強力な力を投入し、平壌市内の医薬品供給事業を即時に安定させるよう朝鮮労働党中央軍事委員会の特別命令を下した」と明らかにした。

これに先立ち、今月12日に北朝鮮で新型コロナウイルス感染者が発生したという事実を初めて公開した労働党中央委員会の政治局会議でも、金委員長はデンタルマスクを付けて登場した。金委員長は新型コロナウイルスが流行した初期の2020年1月から幹部や住民にマスクの着用を勧奨したものの、肝心な本人は公開の席でマスクを付けていなかった。

一角では、金委員長が今回「ダブルマスク」で現れたことについて、ウイルス遮断に効果的なKF94やN95などのマスクが最高指導者が使用する量すら十分にないのではないかという指摘も出ている。

一方、「北朝鮮の国家非常防疫司令部は15日午後6時から16日午後6時までに全国で約26万9510人の発熱者が新たに発生した」と、北朝鮮労働新聞が17日明らかにした。約17万460人が回復しており、死亡者は6人だ。

先月末から全国的に発生した発熱者数は約148万3060人で、そのうち約81万9090人が回復した。約66万3910人が治療を受けている。現在までの累積死亡者数は56人だ。