「3000万円結婚詐欺」の容疑者男性、米国へ逃亡＝韓国

韓国で、実業家を装い、女性に結婚を約束した後、数億ウォン（数千円）をだまし取った男が、警察に立件され調査を受けている間、米国へ逃亡した。新型コロナで出・入国などが容易ではない状況で「海外逃避」を予想できなかった警察は、不意を突かれ、パスポート無効措置などを取った。

19日、警察によるとソウル市カンナム（江南）警察署は2月初め、詐欺と横領の疑いで男性A氏に対する告訴状を受け、立件し調査を行っている。しかしA氏は、立件以後、警察調査を避け先月末米国に逃走し、事実上調査は中断された状態だ。

イーデイリー取材によると、A氏を訴えた20代女性ソン氏は、2020年9月から結婚を前提にA氏と交際した。A氏は、本人をKOSDAQ（コスダック）市場の上場会社代表として紹介し、ソンさんに結婚を約束した。

交際過程でA氏は「事業資金が必要だ」、「友人に急用でお金を貸さなければならない」などの理由で、今年初めまでにソン氏の貯蓄預金と敷金など2億8000万ウォン（約2890万円）、カードローンおよび現金サービス3200万ウォン（約330万円）など、合計3億ウォン（約3000万円）を超える金銭を受け取った。以後、ソン氏は借りたお金を返済するよう要求したが、受け取れず、むしろA氏が複数の女性と交際していることが確認され、詐欺だと知ったというのがソン氏の主張だ。

A氏は2016年にも、女性に接近し金銭を求め、同じ容疑で刑務所生活を送った前歴があると伝えられた。

A氏が代表を務めていたという会社も、A氏の存在を知らない立場だ。同社関係者は「A氏は当社で勤務したことがない」とし「A氏の在職の可否を問う電話が、数件あった」と述べた。

A氏はソン氏に対する結婚詐欺の疑いを否認する先月23日、米国行きの飛行機に乗った。A氏は「新型コロナワクチンを接種し体調が悪い」、「個人事情がある」などの言い訳をし、1か月余りの期間中、嫌疑調査の出席を延期してきた。そして通常3回ほど行われる出席要求以後執行される強制召喚を受ける前に、海外逃走したものと見られる。

警察は、A氏の出国事実を遅れて確認したと伝えられた。被害者のソン氏は「（A氏は）居住も不明で逃走の懸念も高いのに、捜査するときにこの点を逃したのではないか」ともどかしさを吐露した。続いて「それでも早く捜査をしてくれるように待っている」と述べた。

警察関係者は「パスポート無効措置、捜査協力など、A氏捜査のための措置を取っている」とし「手続きに応じてできるだけ早い捜査を努力する」と述べた。