中国が今月にも「ゼロコロナ政策」から「ウィズコロナ」へ転換?…専門家が国際学術誌で提言(画像提供:wowkorea)
中国が今月にも「ゼロコロナ政策」から「ウィズコロナ」へ転換?…専門家が国際学術誌で提言(画像提供:wowkorea)
中国の研究者が国際学術誌「ネイチャー・メディシン(Nature Medicine)」に寄稿し、中国政府のいわゆる「ゼロコロナ政策」の転換を主張している。

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 寄稿したのは佛山科学技術学院の陳継明教授ら数人の研究者だ。

 彼らはまず「中国の20か月にわたる『ゼロコロナ政策』で約100万人の命が救われた。2020年5月15日から2022年2月15日までに、中国で2万4249人の感染者が確認されたが、3月15日の時点で死亡者はわずか2人に留まっている」と指摘。

 その上で「しかし、2022年に入り、新型コロナウイルスは季節性の感染症に変化し、人類の間で無期限的に伝染するものとなった。2020年4月時点では、全世界における新型コロナウイルスの死亡率はインフルエンザの約80倍だったが、2022年は2倍にも満たない水準となっている」とつづった。

 そして「中国はすでに新型コロナウイルスと共存できる条件を備えている。ワクチン接種率は85%以上であり、1人当たり平均2.2回の接種が完了している。また、現在流行中のオミクロン変異株は、感染力は高いが病原性は弱く、そのことが社会不安を軽減している」としている。

 続いて「中国が取っている『ゼロコロナ政策』はコストが高く、大量の公共衛生資源を投入しなければならない。ウィズコロナへの転換は、その他の社会的・経済的問題や医療体系などとのバランスを取るために有効である。ワクチン接種率の高まりという前提のもと、ウィズコロナへの転換で軽症感染者によるしっかりとした集団免疫が達成されれば、これから発生する変異株にも対抗できる。『ゼロコロナ政策』の転換を徐々に行い、現場の医療業務に適用していき、感染者が自宅で簡単な診療を受けられる体制を作っていくことがポイントだ」と主張した。

 ただ、陳教授らは同時に「中国は人口が多く、これから数か月の間に感染者が急増し、医療体系が負荷に耐えられず、死亡率が大きく上昇する可能性がある。それが『ゼロコロナ政策』廃止の足かせとなるかもしれない」と指摘している。

 その上で、彼らは「中国は2022年4月または5月の間に、『ゼロコロナ政策』を徐々に転換していくべきだ。この期間にワクチンによる免疫力が大きく下がることはない。また、大部分の地域は気温が上昇する。一部のデータによると、新型コロナウイルスは気温の高い期間は感染力が弱まることが分かっている」と強調している。
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