北朝鮮のICBM発射可能性に日米韓の外交次官「緊張感を高める行為を中断せよ」=韓国報道(画像提供:wowkorea)
北朝鮮のICBM発射可能性に日米韓の外交次官「緊張感を高める行為を中断せよ」=韓国報道(画像提供:wowkorea)

 北朝鮮が“怪物大陸間弾道ミサイル”と呼ばれる「火星17型」の発射を準備していることが明らかになり、朝鮮半島の安保情勢が揺らぐ中、日米韓3カ国の外交次官が緊張感を高める行動の中断を北朝鮮に促した。

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 韓国外交通商部(外交部)のチェ・ジョンゴン第1次官は11日(きょう)午後、米国のウェンディ・シャーマン国務副長官、外務省の森健良事務次官と電話会談を行い、最近の朝鮮半島問題について話し合った。日米韓の外交次官が電話で会談するのは、先月2日以降、約1か月ぶりのことだ。

 3ヵ国の外交次官は北朝鮮が最近、国連安全保障理事会(安保理)決議を違反して弾道ミサイルを相次いで発射したことと関連した動向評価を共有した。

 また、北朝鮮が対話と外交の道に出てくることを促し、北朝鮮に緊張高揚行為を中断させるための3ヵ国間協力を持続的に強化していくことにしたと韓国外交部は明らかにした。

 これに先立ち、韓国国防部はこの日、「北朝鮮が先月27日と今月5日に発射した弾道ミサイルは、米韓の精密分析の結果、2020年10月10日の北朝鮮労働党創建日の閲兵式を契機に北朝鮮が初めて公開し、開発中の新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)システムと関連があると評価する」と明らかにした。

 韓国国防部が言及した新型ICBMとは「火星17型」のことだ。火星17型は従来のICBMより直径や長さなどが大きくなり、公開当時は“怪物ICBM”と呼ばれた。

 長さは22~24メートルほどで、米国の「ミニットマン3」、中国の「DF(東風)-41」、ロシアの「トーポリ-M」などのICBMより長い。最大射程は1万3000キロ以上と推定され、事実上、米国本土全域を打撃できると評価されている。

 北朝鮮はこの日、キム・ジョンウン総書記が長距離ロケットを発射できる西海(ソヘ)衛星発射場を視察した事実を公開した。キム総書記が直接ICBM発射について言及することはなかったが、今年1月の核実験、ICBM実験発射モラトリアム(猶予)撤回の可能性を示唆しただけに、近いうちにICBMの発射を行動に移すという見方が多い。北朝鮮は今年4月に国内最大の祝日である「太陽節」(金日成主席の誕生日)も控えている。

 北朝鮮がICBMを発射する場合、朝鮮半島情勢が再び悪化する恐れがあるため、3ヵ国の外交次官は緊張高揚の防止が急がれると見て、対応策を話し合ったものと見られる。

 さらに、日米韓の外交次官はロシアのウクライナへの武力侵攻についても話し合った。3ヵ国の外交次官はロシアのウクライナ侵攻を糾弾し、これを直ちに中断することを促して対ロ制裁など国際社会の団結した対応が重要だという点を強調した。

 韓国外交部は「3カ国外交次官は急変する国際情勢の中で日米韓協力の重要性を再確認し、今後も緊密な協調を続けていくことにした」と伝えた。
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