日本の昨年の実質国内総生産(GDP)の伸び率が3年ぶりに前年比でプラスへと転じた。しかし、ただ笑ってばかりいられないのが実情だ。新型コロナウイルス感染症(新型コロナ)のパンデミック(大流行)による低迷を考慮すれば、回復傾向が弱すぎたという評価を受けている。今年の成長の勢いもまた、年明けからオミクロン変異株の感染が急速に拡大するなど、成長の勢いは大幅に減速する見通しだ。
◇基底効果にも関わらず1.7%増にとどまる…5%以上の欧米と差
16日(きのう)付の日本経済新聞によると、日本の内閣府は前日、2021年の実質GDPが前年比で1.7%(速報値)増加したと発表した。マイナス成長率を記録した2019年(-0.2%)と2020年(-4.5%)から3年ぶりにプラスへ転じたのだ。特に個人消費と輸出もそれぞれ前年比で1.4%と11.6%増加し、いずれもプラス転換した。
しかし、新型コロナのワクチン普及が十分に行われなかった2020年の成長低迷による基底効果を考慮すれば、反発力が足りなかったという診断だ。パンデミックの直前だった2020年1月、国際通貨基金(IMF)は2021年の日本の実質GDPが560兆円になると見通した。しかし、実際は537兆円に止まり、予想値に23兆円足りない結果となった。
ワクチン普及が遅れた上、脆弱な医療体制が十分な経済・社会活動を引き出すことができなかったことが主な原因とされる。首都である東京都の場合、緊急事態宣言や「まん延防止等重点措置」が発令されていない期間が1年のうち、120日にすぎなかった。
それと同時に供給網の混乱で深刻な部品の供給不足事態が発生し、日本国内の自動車生産が止まったのも昨年の輸出と個人消費に影響を及ぼしたという分析だ。
日本経済新聞は「米国(5.7%)とユーロ圏(5.2%)、英国(7.5%)、中国(8.1%)などの主要経済圏で5%台以上を記録したのに比べるとかなり低い水準」とし、「昨年の日本の経済回復傾向は十分ではなかった」と指摘した。
昨年第4四半期(10~12月)だけを見ると、実質GDPは前期より1.3%増加した。年率では5.9%増加した。これもやはり2四半期ぶりにプラスに転じたが、昨年7~9月期の緊急事態宣言で消費が低迷したことによる効果と分析されている。
◇今年の成長率も鈍化の恐れ…年明けから“オミクロンショック”
問題は、今年の展望も楽観的でないということだ。今年に入ってすぐ日本国内でオミクロン株への感染が急増し、日本政府は1月から47都道府県のうち36か所に「まん延防止等重点措置」を適用した。企業投資や消費低迷が予想される理由だ。
また、ワクチン普及や医療体制は改善されず、ウクライナ事態、インフレーションなども主要変数だ。
第一生命経済研究所の永濱利廣首席エコノミストは「(昨年のGDPの統計値は)オミクロン株感染拡大以前の状況」とし、オミクロン株の拡散の衝撃で今年の日本の経済成長率が昨年より鈍化すると予想した。
日経のエコノミスト10人を対象に行ったアンケート調査によると、今年第1四半期(1~3月)の実質GDPの増加率は前期比年率で0.3%と大幅に鈍化すると予測された。
第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミストは「感染急増で消費者行動に慎重になっており、自動車供給の制約も懸念される。マイナス成長の可能性も十分にある」との見通しを示した。
BNPパリバ証券の白石洋エコノミストは「他の国に比べて日本は健康損失に対するリスク許容度が低い」とし、「医療供給能力を引き上げてこそ、経済が犠牲にならない」と指摘した。
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