弔問に訪れた尹氏(右)が、安氏にお悔やみの言葉を伝えている(共同取材)=16日、天安(聯合ニュース)
弔問に訪れた尹氏(右)が、安氏にお悔やみの言葉を伝えている(共同取材)=16日、天安(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国大統領選(3月9日投開票)で中道系野党「国民の党」候補の安哲秀(アン・チョルス)党代表が有力候補の保守系最大野党「国民の力」の尹錫悦(ユン・ソギョル)前検事総長に提案した候補一本化を巡り、国民の力側が安氏に対する圧力をひとまず控えていることが17日、関係者への取材で分かった。安氏陣営の遊説用バス内で15日、運動員ら2人が死亡する事故が起き、同氏が遊説を中断しているためだ。ただ、国民の力内部では、安氏の譲歩を期待する雰囲気も漂っている。 尹氏は16日、安氏陣営の運動員の遺体が安置されている病院を訪れ、安氏にお悔やみを伝えた。安氏だけでなく集まっていた報道陣に対しても、候補一本化には触れなかった。 国民の力の選挙対策本部関係者は17日、「国民の党で人が亡くなったため、わが党は極度に言葉を控えている。政治的な有利不利を追求する時ではない」と話した。 権寧世(クォン・ヨンセ)選対本部長も、発言に気を付けるよう関係者に念を押したとされる。権氏自身、記者団に「こうした状況のため、候補一本化の話をするのは適切ではない」「礼儀に反する」などと慎重な態度を見せた。 ただ党内部では、安氏の選挙戦撤退を期待する雰囲気がある。安氏の妻が新型コロナウイルスに感染して選挙運動から外れたところに、2人死亡事故と、別の遊説バスでの1人重体という事故まで重なり、安氏の遊説再開は容易でないとの見方が強い。 ある関係者は安氏の状況の厳しさに話すのがはばかられるとしながらも、「撤退の方向に向かうのでないか」と予想した。別の関係者も「選挙運動を続けられようか。適切な時点で結論を出すのでは」と、安氏の決断を静かに待つ姿勢を示した。 党内の一部では、葬儀が終わり次第、早ければ今週末にも尹氏と安氏が直談判するとの見通しが出ている。尹氏は世論調査方式による一本化に難色を示していたが、「安候補はもう世論調査を要求しないだろう」(選対本部関係者)とされるほか、尹氏と接戦を繰り広げる革新系与党「共に民主党」候補の李在明(イ・ジェミョン)前京畿道知事が水面下で安氏に秋波を送っていると伝えられており、尹氏が安氏と対話の場を設ける可能性がある。
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