北京五輪の開幕式に「韓服」が登場したことで、韓国民は怒りを露わにしている(画像提供:wowkorea)
北京五輪の開幕式に「韓服」が登場したことで、韓国民は怒りを露わにしている(画像提供:wowkorea)
「中国の韓服略奪は、すでに以前から始まっていた」

北京冬季オリンピックの開幕式に「韓服」が登場したことで、韓国民は「キムチにつづく中国の文化工程だ」として怒りを露わにしている。中国側は「中国の少数民族のうちの一つである朝鮮族の文化を紹介しただけだ」と釈明しているが、韓国民はそれを容易に受け入れることができないでいる。以前から中国内では韓服を自分たちの伝統文化として、それとなく登場させてきた状況がこれまで多くみられたからだ。

2020年に中国のオンライン動画サービスで放映された時代劇「少主且慢行」で、侍女役の女優たちが韓服を着ていたことから物議をかもした。昨年放映されたドラマ「一片氷心在玉壺」では「カッ(朝鮮の伝統的な冠帽)」が中国の伝統文化として登場し、カッを被って演技した俳優が自身のSNSに「カッは中国の伝統文化だ」と紹介したことで物議をかもしたこともある。明の時代のドラマ「成化十四年」には、主人公がカッと網巾(頭巾)をつけて登場した。

このように中国人たちが韓服を「自分たちの伝統文化だ」と主張する背景には、明時代の伝統衣装「漢服」がある。「韓服の起源が漢服にあるため、韓服もまた自分たちの文化だ」というのである。

昨年韓国で放映されたドラマ「ホンチョンギ」で、主人公が韓服を着て登場したことから、中国人たちは「漢服を盗用した」と抗議した。

中国政府は「韓服略奪」の意志を隠そうとはせず「韓服は韓国の文化であり、中国の文化だ」という立場を改めて示した。駐韓中国大使館は声明文を通じて「中国の朝鮮族と朝鮮半島南北双方は、同じ伝統をもっている。衣装を含めた共通の伝統文化をもっている」とし「伝統文化(韓服)は朝鮮半島のものであり、また中国の朝鮮族のものだ」と伝えた。

また、中国大使館は「いわゆる『(中国による)文化工程・文化略奪』という言葉は、全く当てはまらない」とし「中国側は韓国の歴史・文化の伝統を尊重し、韓国側も朝鮮族を含めた中国の各民族人民たちの感情を尊重してくれることを願う」と語った。つづけて「中国の各民族の代表たちが民族の衣装を着て北京五輪という国際スポーツ大会と国家の重大行事に参加することは、彼らの願いであり権利だ」と反論した。

現在は「韓国と中国の共同の文化だ」と主張している中国、いつかは「中国の文化を韓国が略奪した」と主張するのではないかという、懸念の混ざった見方まで出ている。

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