韓国、日本やEUよりも上位3大業種の賃金が高い…年功型賃金・労働組合の影響=韓国報道(画像提供:wowkorea)
韓国、日本やEUよりも上位3大業種の賃金が高い…年功型賃金・労働組合の影響=韓国報道(画像提供:wowkorea)

 韓国の金融・保険業従事者が日本と欧州連合(EU)を合わせたすべての業種で最も高い賃金を得ていることが分かった。また、金融・保険業を含む専門・科学および技術サービス業と情報通信業などの日本・韓国・EU上位3大業種の賃金も韓国が最も高かった。

 韓国経営者総協会は韓国の高賃金が長く勤務すればするほど自動的に給料が上がる年功型賃金体系と労働組合の強い影響力のためと推定した。韓国経営者総協会は「生産性を超過した過度な賃上げは企業のグローバル産業競争力を阻害しかねないだけに、労働市場に公正かつ合理的な賃金調整基準を作るべきだ」と主張する。

◇金融・保険業の賃金は韓国→EU→日本の順
 韓国経営者総協会が6日(きょう)に発表した日本・韓国・EUの業種別賃金水準の国際比較資料によると、韓国の金融・保険業の月賃金総額(2020年の購入力評価為替レート(PPP)基準、超過給与除外)は7373ドル(約84万7000円)だった。これはEU15カ国平均の6912ドル(約79万4000円)よりも6.7%、日本の4807ドル(約55万2000円)よりも53.4%高い数値だ。韓国は卸・小売業と建設業でも日本とEUより賃金が高かった。一方で、韓国の宿泊・飲食店業(2704ドル、約31万800円)の賃金はEU(15カ国平均2858ドル、約32万8000円)、日本(2765ドル、約31万8000円)よりも低かった。

 国別の順位差はあるが、相対的な高付加業種である金融と保険業、専門・科学および技術サービス業(弁護士や会計士などの専門資格人材と科学研究開発者を含む)、情報通信業(ソフトウェア開発など専門情報機器(IT)技術人材を含む)が韓国と日本、EUの上位3大高賃金業種だった。

 業種別に各国の1人当たり国内総生産(GDP)対比の賃金を比較した結果、韓国の金融および保険業が195.0%で、日本(135.9%)とEU(137.8%)に比べてはるかに高いなど、賃金水準上位3大業種とも経済水準を考慮した賃金水準は韓国が最も高かった。

 業種間の賃金格差も韓国が最も大きかった。国別の賃金水準1位業種の賃金を100と仮定した場合、宿泊・飲食店業の賃金水準は韓国が36.7で、最も格差が大きかった。続いてEUが41.4、日本が55.5の順だった。宿泊・飲食店業は韓国と日本、EUいずれも賃金水準が最も低い業種だった。1~2位業種間の賃金格差も韓国が日本とEUよりも大きかった。業種別の両極化が韓国で最も深刻ということだ。

◇韓国、経済水準を反映した賃金が最も高い
 この他にも韓国の全産業労働者の月賃金の総額は4478.7ドル(約51万5000円)で、EU(15カ国平均4534.5ドル、約52万1000円)とほぼ同じで、日本(3785.8ドル、約43万5000円)をはるかに上回った。

 韓国経営者総協会経済調査本部のハ・サンウ本部長は「経済水準を反映した賃金水準が競争国のEUや日本よりも高かった」とし、「韓国の金融・保険業は比較国すべての業種で最も高い賃金水準を示した。これは年功型賃金体系と強力な労働組合の影響力による結果と推定される」と述べた。

 続いて「生産性を超えた過度な賃上げは企業のグローバル産業競争力を阻害し、賃金両極化深化のような社会葛藤につながる可能性が高い」とし、「労働市場により公正で合理的な賃金調整基準を準備する必要性が高い」と強調した。
Copyrights(C)wowkorea.jp 84