新型コロナの感染拡大の中、韓国政府は「日常回復」の検討を明らかにした(画像提供:wowkorea)
新型コロナの感染拡大の中、韓国政府は「日常回復」の検討を明らかにした(画像提供:wowkorea)
韓国の中央災難安全対策本部のイ・ギイル第1統制官は「感染者が増加しても重症・致死率が引き続き安定を維持し、医療システムの余力が十分であれば、防疫規制を段階的に解除しながら日常回復を再び試みることにした」と語った。

きょう(5日)発表の新型コロナウイルスによる一日の新規感染者は3万6362人であった。前日対比で約9000人ほど急増し、たった3日間で2万人台から3万人台へと感染者が急増したのである。

このような拡散スピードにも韓国政府は「新型コロナの医療システムの余力が安定的に維持されるならば、季節性インフルエンザに類似した防疫・医療システムへの転換を本格的に検討する」と明らかにした。これは、無症状・軽症患者の割合が高く、防疫措置(社会的距離確保)による社会・経済的被害が大きい点を排除できないことが考慮されたものとみられる。

一方、感染者の急増により地域の病院・医院できちんと対応するのが困難な実情などを踏まえると、混乱が大きくなるという懸念も拭い去ることはできない。

専門家たちは「現在の拡散スピードが続く場合、流行のピーク時における一日の新規感染者は10万人にまで達する恐れがある」とみている。ただ感染者全体の増加速度に対して、重症患者数は安定した状況である。

しかし、もし今後「日常回復」に進んだ場合、今でさえ混乱している検査体制が問題になってくる。高危険群に対し優先的にPCR検査を施行する「オミクロン株対応システム」が稼働した旧正月の連休以降、様々な所ではすでに混乱してる状況である。検査を受けることのできる病院・医院では対応しきれないことから、市民たちは選別検査所へと行先を変えている。

また、軽症患者を管理する在宅治療のインフラ構築も問題である。感染者が急増すれば、7~10日間の在宅治療を終え解除される人よりも、新規に在宅治療を始める人がより多くなる状況が予想される。近いうちに在宅治療者が15万人以上になる恐れがあることから、管理医療機関の拡充が急がれている。

韓国政府は「医師1人が管理する患者を100人から150人に増やし、在宅治療のモニタリング回数を減らす」という対策を打ち出したが、最大で一日に10万人が予想される新規感染者の増加を踏まえると「根本的な対策とはならない」という指摘も出ている。

専門家たちも「季節性インフルエンザのように管理する」という政府の検討に対して、慎重な立場を示している。

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