2年目に入った新型コロナ社会、ワクチン確保騒動、1年先延ばしになった東京五輪とパラリンピック、衆議院総選挙に首相交代まで…。

 特に多事多難な2021年を送った日本。それだけ政治家の失言も注目された年だった。日本の週刊誌「NEWSポストセブン」は先月12日、「政治家の失笑発言大賞」を選定した。言葉(口)は災いの元だが、政治家にとっては言葉がすべてだという説明だ。現在、首相と元首相いずれも順位に名を連ねている。

 まず、岸田文雄首相の自画自賛が失笑発言に挙げられた。岸田首相は自民党総裁選で勝利した昨年9月の第一声は「岸田文雄の特技は、人の話をしっかり聞くということであります」だった。

 コラムニストの石原壮一郎氏は「この段階(自民党総裁選時)は期待する人がいたが、今あらためて見ると失笑を禁じえない」とし、「『しっかり』は岸田首相の口癖であり、やる気がない場合に、念入りに使われがち」と説明した。首相としての目標や方向性がはっきりしない岸田首相の無色無臭なリーダーシップへの批判とも一脈相通ずる。

 岸田首相の前任者で就任から1年で辞職した菅義偉元首相も“失笑発言者”となった。「そのようなご指摘は当たりません」という発言だ。これは第2次安倍晋三内閣が発足し、官房長官を務めていた当時から続いていた菅元首相の口癖だ。

 記者会見のたびに政府の立場を尋ねたり、行政に対する指摘を受けたりすると、口癖のように「そのようなご指摘は当たりません」と述べた。日本政府の“口”の役割を果たす官房長官の答弁とするには問題がある、との批判が出ている。国民的関心が高い事案について説明をきちんとせず、国民の理解を得るための態度ではないという指摘だ。官房長官時代の習慣は首相になった後も続き、結局、2021年の失笑発言という不名誉を得ることとなった。

 菅元首相と対立する自民党の二階俊博元幹事長も批判の的となった。菅元首相が昨年8月、菅元首相の自身のポスト交代ニュースについて、なんとテレビのインタビューで不満をあらわにしたからだ。

 “兎死狗烹(としくほう:利用できなくなれば捨てられるという意味)”の心情だったのだろうか。2020年8月に安倍元首相が健康上の理由で辞任すると、真っ先に菅元首相を支持し、“キングメーカー”の役割を果たした。しかし、新型コロナへの不十分な対処で菅元首相の支持率が20%台に落ちると、二階元幹事長が入れ替えのターゲットになった。幹事長を歴代最長となる5年間歴任し、“自民党ナンバー2”として通っていた二階元幹事長を交代させ、人的刷新を見せるという戦略のためだ。

 その後、自身の交代論がささやかれると、二階元幹事長はテレビのインタビューで「(菅元首相が)やめてもらうとか言う資格があるか。任命権者だと思っていたら大間違いだ」と不快感を隠さなかった。実際、日本の首相は閣僚の任命権と与党の人事権をすべて握っているのにもかかわらずだ。続いて、「菅首相と対等な関係だと思うか」という質問には「対等でも何でもないが、生意気いうもんじゃないよ」と怒りを見せ、進行者を当惑させた。ただ、その後で「菅首相と仲が悪いのではない」と釈明している。

 このほか、自民党の麻生太郎副総裁の「温暖化したおかげで北海道のコメはうまくなった」発言も論議を呼んだ。麻生副総裁は昨年10月25日、北海道札幌市で行った街頭演説で「地球温暖化が悪いわけではない。北海道の温度が2度上がり、北海道産のコメがおいしくなり、輸出も順調に進んでいる」と述べた。この発言後「北海道産のコメは険しい気候に適応するように数十年にわたって努力をしてきたおかげでおいしくなったのであり、温暖化のおかげではない」という反論から「日本政府の脱炭素対策推進に逆行する発言」という批判が相次いだ。

 2021年の最悪の発言のトップは、東京五輪組織委員会の森喜朗元会長の女性卑下発言が選ばれた。昨年がトラブルの多かった“五輪イヤー”を象徴するという意味からだ。「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかります」という発言で、結局、辞任というブーメランが戻ってきた。

 昨年2月3日、日本オリンピック委員会(JOC)の女性理事を増やす方針について「女性は競争意識が強い。誰か1人が手を挙げて言うと、自分も言わなきゃと思うんでしょう」とし、「女性の理事を増やしていく場合は、発言時間もある程度、規制をしないとなかなか終わらないので困る」と述べた。

 これに対し、立憲民主党からは「差別を押しのけ、連帯とフェアプレー精神で相互理解し合う五輪精神に合わない」という批判が出た。 内外からも「多様性と調和を重視しなければならない五輪組織委員会の会長として不適切だ」、「スポーツ界の流れに逆行する」という辞任圧力が生じ、結局、森元会長は10日ももたずに白旗をあげた。

 「NEWSニュースポストセブン」は2021年の日本の政治家たちの失笑発言を報じ、このように締めくくった。

 「最初は政治家に絞るつもりはなかったんですが、あっという間に政治家だけで10の枠が埋まってしまいました。2022年も、いろんな政治家がいろんな失笑発言をしてくれるでしょう。頼もしい限りですね」

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