任期満了まで100日の文大統領…残された課題は?=韓国報道(画像提供:wowkorea)
任期満了まで100日の文大統領…残された課題は?=韓国報道(画像提供:wowkorea)

 ろうそくの中で誕生した文在寅(ムン・ジェイン)政府が任期末に突入した。今月29日基準で退任まで100日となった。引き継ぎなしにスタートした文政権は政治・経済・社会・外交などの分野で成果を収めたが、同時に副作用も相次いだ。特に、不動産政策の失敗による民生経済の破綻と無為に終わった朝鮮半島の平和プロセスは、文大統領の残りの任期中に重点的に解決すべき課題でもある。

◇任期の半分が“新型コロナ対応”、残念がる韓国大統領府
 政権5年目を迎えた文大統領は、レームダックのない大統領として残る可能性が高い。世論調査専門機関の韓国ギャラップ調査研究所が今月25日から27日まで全国満18歳以上の男女1000人を対象に文大統領の職務遂行評価を調査して旧正月の連休前日である28日に発表した結果(回答率15.1%、標本誤差95%、信頼水準±3.1%)によると、文大統領の職務遂行評価肯定率は42%だった。任期末にもかかわらず40%台のいわゆる“コンクリート支持率”を守っているのだが、側近の不正など決定的な民心離反要素がなかったうえ、新型コロナウイルス感染症(新型コロナ)という特殊な状況を乗り越えた徳というのが政界の一般的な解釈だ。

 任期の半分を過ぎて発現した新型コロナが支持率の支えになったが、他の国政課題には障害になった。政策の優先順位が防疫に偏ったことで、準備してきた他の課題の推進動力を失ったということだ。これは、韓国大統領府の参謀たちが特に残念がっている部分でもある。

 また、初期の防疫に成功して急速な拡散防止に成功したが、『ウィズコロナ』(段階的な日常回復)の推進やオミクロン変異株の流入によって新規感染者が急増したことも残念だ。

 文大統領はこれを反映するかのように、持続的に“危機克服政府”であることを強調している。今月初めの新年のあいさつで、新型コロナ関連の日常回復を優先して発言した背景でもある。新型コロナの終焉という課題が事実上次期政府に渡っただけに「不足した部分を補い、次の政府のために丈夫な跳躍の基盤を譲る」と述べた。

◇不動産失敗のアザに社会的葛藤も進行中
 文大統領が最近強調しているのが“先進国の地位”だ。昨年、G7(主要7カ国)首脳会議に招待国の資格で参加してからだ。韓国大統領府は「主要経済の協議体であるG20を超え、グローバルリーダーであるG7国家と肩を並べる先進国入りを果たしたという意味」と自評した。

 このように自信を持っている背景には、最近改善された経済指標がある。昨年の経済政策方向報告で文大統領は「大韓民国は世界主要国の中で最も早い回復力を見せており、10大経済大国としての地位を固めた」とし、1人当たりの国民所得4万ドル時代を予告した。同時に過去最大の業績を記録した輸出と貿易規模、外国人直接投資などについて直接言及した。

 ただ、民生経済分野には解決しなければならない課題が多く残っている。文大統領の“先進国地位”発言に野党が猛非難する理由だ。直撃弾になった不動産市場は依然不安定で、新型コロナ防疫による小商工人と自営業者の厳しい状況も依然として残っている。

 任期内に継続していた労使紛争とジェンダーなど、社会的な葛藤も進行形だ。少子化対策も打ち出したが、成果を得ることなく退任となる可能性が高い。

 周辺国との関係についても良い点数をつけるのは難しい。特に、任期中に最悪となった日韓関係の改善は安倍元首相に続き、岸田文雄首相が就任した後も変化の兆しが見えていない。日韓首脳間のコミュニケーションは、岸田首相就任直後に約30分間通話したのがすべてだ。両国関係改善の障害である徴用工問題をめぐって自尊心争いをすることによってそのわだかまりが日米韓協力にも悪影響を及ぼしている形だが、結局、次期政府の課題になるものとみえる。

 重点課題として推進してきた朝鮮半島の平和プロセスも、結局、未完のまま終わる可能性が高い。来月開幕する北京冬季五輪を通して“平和ムード”へ導こうという試みがあったが、最近、北朝鮮の相次ぐ極超音速ミサイル挑発によって失敗に終わった。任期中の終戦宣言の可能性は遠ざかっており、北朝鮮の核解決は遠い。任期初め、南北対話が相次いだのとは対照的だ。

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